人里に出没 北海道内のヒグマ駆除 過去最多 23年度1422頭 環境省まとめ
2023年度の道内でのヒグマ許可捕獲数(駆除数)が、速報値で1422頭に上り、過去最多を更新したことが環境省のまとめで分かった。本州のツキノワグマの捕獲数も7831頭と過去最多で、クマ類全体の捕獲数は9253頭となり、統計が残る1923年度(大正12年度)以降最も多かった。 許可捕獲数は都道府県知事と環境相の許可を得て捕獲した頭数で、同省が4月下旬に公表した。ヒグマは、これにハンターが行う狩猟も加えた全体の捕殺数が21年度に1056頭となり、初めて千頭を超えたが、23年度は許可捕獲のみで大幅に上回った。 本州のツキノワグマの捕獲数は東北地方が7割を占め、秋田県が2183頭と最も多く、福島県896頭、岩手県831頭、山形県762頭と続いた。神奈川県で7頭、東京都でも6頭の捕獲があった。ツキノワグマのうち、シカやイノシシ用のわなにかかった錯誤捕獲や、悪質性の低い個体など計181頭は殺さずに放獣した。 同省野生生物課は、北海道と東北では秋のドングリの実なりが悪かったため、餌不足により人里に出没するクマが多く、捕獲が増えたと分析。「農作物の被害や人身被害を防ぐため、自治体も積極的に駆除せざるを得なかった」とする。