米銀と欧州銀、ABS証券化が活況-「バーゼル3」最終化も影響か
(ブルームバーグ): 資産のバランスシートからの切り離しを進める銀行の多くが、活況な資産担保証券(ABS)市場に目を向けている。
銀行資本規制「バーゼル3」最終化では、大量のローン債権を保有し続ける金融機関の負担が増すと見込まれ、自動車ローンや設備リース、他の債権をABSに証券化する動きが増えている。
ブルームバーグ・ニュースの集計データによると、年初来のABS発行額は米国だけで1700億ドル(約26兆7000億円)を上回り、前年同期から約38%増加した。欧州でも同様の傾向が見られる。ブルームバーグが住宅ローン証券を除いて集計したデータでは、年初来の発行額は約210億ユーロ(約3兆5000億円)と、前年同期を約35%上回った。
発行の波は衰えていないようだ。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは5月31日、自動車ローン証券化を主な理由に挙げ、通年の米ABS発行額の予測を従来の2700億ドルから約3100億ドルに引き上げた。
ABSはクレジット投資家の間で買い手を見いだしつつある。バルセロナで今週開催されたグローバルABS会議では、慎重ながらも楽観的な見方が出席者から示された。
JPモルガン・アセット・マネジメントの米債券最高投資責任者(CIO)、ケイ・ハー氏はポッドキャストで、「ABS、特に米国の家計に関係するABSに魅力的な機会が見られる」と語った。
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原題:Great Bank Asset Sale Is a Boon for Bond Market: Credit Weekly(抜粋)
--取材協力:James Crombie.
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Immanual John Milton, Dan Wilchins, Abhinav Ramnarayan