センバツ2023 大阪桐蔭、一丸で夢切符 履正社、満面の笑み咲く(その1) /大阪
27日開かれた第95回記念選抜高校野球大会の選考委員会で、府内から大阪桐蔭(大東市)と履正社(豊中市)の出場が決まった。大阪桐蔭は4年連続14回目の選出。昨秋の近畿大会では2年連続5回目、明治神宮大会も2年連続2回目の優勝を、それぞれ果たした。センバツでは2年連続5回目の頂点を狙う。履正社の出場は3年ぶり10回目。2019年夏の甲子園で初の全国優勝を成し遂げたが、春は14年と17年に準優勝したものの、優勝は未経験で、初めての春の王座を目指す。3月10日に組み合わせ抽選会があり、同18日に開幕する。【戸田紗友莉、山口一朗】 ◇昨夏の悔しさ晴らす 大東市平野屋1の大阪桐蔭には、この日午後4時10分ごろ、吉報が届いた。校長室で出場校発表の模様を配信で見守っていた今田悟校長はすぐさま選手たちが待つグラウンドに駆け寄り、「おめでとう。昨年の優勝旗を再び持ち帰れるよう頑張ってほしい」と語りかけ、選手たちは落ち着いた様子で聴き入った。 チームを引っ張る前田悠伍主将(2年)は「2連覇を意識しすぎずに1試合1試合に勝って、その先に優勝したい。まずはチームが勝つことが優先」と話す。この冬はチーム力の強化に力を入れたといい、「(準々決勝で敗退した)昨夏のような悔しい思いは2度としたくない。甲子園の借りは甲子園でしか返せないことを意識して臨みたい」と決意を語った。 ◇手堅い新チーム 昨秋の府予選と近畿大会を制し、各地区の優勝校が集う明治神宮大会の連覇を成し遂げた。昨夏から引き続きメンバー入りするのはわずか2人だったが、明治神宮大会では4試合で32得点(12失点)を挙げ、力を見せつけた。 主戦は主将も務める左腕・前田悠伍投手(2年)。昨春のセンバツと昨夏の選手権の両甲子園大会を経験している。最速148キロの速球に、多彩な変化球を織り交ぜる。同じく昨春から経験を積む右腕・南恒誠(こうせい)投手(2年)は速球が140キロ超の本格派だ。 これに、攻めの投球ができる伸び盛りの右上手投げ、南陽人(はると)投手(1年)、力のある球で強気に押す右腕・松井弘樹投手(2年)、速球と変化球のコンビネーションが巧みな左腕・藤井勇真投手(2年)がおり、投手層は厚い。 打線の中軸は、捕手で勝負強い南川(みながわ)幸輝選手(2年)。広角に打ち、長打力が光る。昨秋には、非凡な打撃が魅力の大型内野手、小川大地選手(2年)が1番、俊足の外野手、山田太成選手(2年)が2番に入り、好機を広げた。 西谷浩一監督の下、前チームに引き続き「秋春連覇」に挑む権利を得て、選手たちは冬の練習に打ち込む。