中山優馬、名作悲劇「血の婚礼」で主演「全身全霊で演じ切りたい」
中山優馬が主演を務める舞台「血の婚礼」が12月に東京と兵庫で上演されることが発表された。 【写真】舞台「Endless SHOCK」にも出演していた中山優馬の会見の様子。 「血の婚礼」は、スペインの劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカが、実際に起きた事件をもとに書き上げた“ロルカの三大悲劇”の1つとして知られる戯曲。結婚式を控えた男女の前に花嫁のかつての恋人が現れすべてを変えてしまうという物語で、愛の衝動と因習に縛られた男たちの闘いが描かれる。 中山は花嫁のかつての恋人・レオナルド役を担当。花婿は宮崎秋人、花嫁は伊東蒼が演じ、このほかレオナルドの妻役に岡本玲、花嫁の父役に谷田歩、花婿の母役に秋山菜津子も出演する。演出は2023年に「旭日小綬章」を受章した栗山民也が手がける。自身の役どころについて中山は「彼をたくさん愛し、表現したいと思います。僕なんかの小細工が通用する役ではありませんので、少しの衝動も逃さず、文字通り全身全霊で演じ切りたいと思います」とコメントしている。 ■ 中山優馬 コメント 「血の婚礼」に出演させて頂ける事、また栗山さんの作品に出られる事、大変嬉しく思います。 それと同時に、「血の婚礼」という偉大な作品に巡り合わせて貰った事に、感謝と共に重圧も感じています。 現代の社会においては決して許される事のないであろう物語。僕が演じさせて頂くレオナルドは、強くも卑怯で愛に溢れた男。多くを失い、多くを手に入れた男なのだと思います。そんな彼をたくさん愛し、表現したいと思います。僕なんかの小細工が通用する役ではありませんので、少しの衝動も逃さず、文字通り全身全霊で演じ切りたいと思います。 胸の引き裂かれる様な熱い愛を、劇場で見届けて下さい。 ■ 栗山民也 コメント もうだいぶ前のこと、その時住んでいたロンドンの震える冬を抜け出し、暖かなスペインへ向かった。マドリッドに着いてからは列車で東海岸をゆっくりと2週間かけて南下、目的地であるアンダルシアを目指した。 その地にあるアルバイシンの丘を登ると、ただ透明な青色だけの空の下、小さな美術館と小さな野外劇場がポツンとあった。偶然にもその夜、その劇場ではロルカの「ジプシー歌集」をもとにした音楽劇をやっていて、彼の地グラナダに来た目的が叶った。 のグラナダで生まれたガルシア・ロルカの「血の婚礼」を、今回やっと上演することができる。あの丘の上のあの喉から絞り出すような熱く乾いた声、あの力強く踏み鳴らし続けるステップのリズム、そしてあの劇場をギュッと包み込んだ、むせ返るような濃い人間たちの欲望の輪を思いながら、心躍るままに創ろうと思う。ロルカに出会いたい、その一心で。