<UEFA EURO 2024>決勝トーナメントが開幕 サッカー元日本代表・坪井慶介がGSの総括、優勝予想を語る WOWOWで全試合を生中継
ーーGS全体を通して最も印象的なチームを教えてください。
スペインはやっぱり強いと感じました。ラミン・ヤマル(バルセロナ)もそうですけど、ニコ・ウィリアムス(アスレティック)もすごい。ロドリ(マンチェスター・シティ)やペドリ(バルセロナ)といった真ん中のラインもそうですが、ウイングが強烈です。現代のサッカーは中央のラインだけではなく、ウイングの部分で相手をはがせるか否かはかなり重要だと思っています。その点でスペインの両翼は状態が良いなと感じます。
ーー今大会を通じて、日本サッカーが見習うべき点はありますか?
僕は守備の人間なので、ディフェンスのところに注目しています。先日、遠藤航(リヴァプール)と話す機会がありましたが、やはりボールを奪いに行くところに欧州と日本ではまだ差があるなと。ボールを奪いに行くスピードと寄せる距離感が違う。奪うためにはボールホルダーの近くに行かないといけないけど、ひるんで間合いを空けたらボールは取れないし、下がったらチームとして怒られるそうです。ボランチが抜けていった選手についていく方がDFラインは崩れずにリスクは小さく済むかもしれないけど、欧州の選手はそこでDFの選手がボールを奪いにいく。自分のスペースを捨てて、後ろがマンツーマンになっても前に出てボールを奪いに行くといったリスクを負っている。だからこそ攻撃的な守備になるし、見ていても面白いのだと思います。日本でももっとそういった守り方がスタンダードになっていくと良いなと感じています。そこは“意識”と普段からの“習慣”が重要になってくる部分だと思います。一瞬でもちゅうちょしたら間に合わない世界なので、日々の練習から徹底していくことが大事なんだろうと感じます。
ーー守備の話になりましたが、気になるDFの選手はいましたか?
イタリアのリッカルド・カラフィオーリ(ボローニャ)はクロアチアのヨシュコ・グヴァルディオル(マンチェスター・シティ)が出てきたときのような衝撃を受けました。もちろんサイズもあるし足元も強くて守備は間違いないですが、左足でボールを前に持ち運ぶこともできるので注目しています。現代のDFには、パスが出せることとボールを前に運べることが求められますが、僕はいつも言っている通り、DFはまず守れないといけません。その点でもグヴァルディオルやカラフィオーリはやっぱり守備もすごい。それがベースにあった上で、攻撃のタスクをあれだけこなせるのはすごいなと思いますね。