<UEFA EURO 2024>決勝トーナメントが開幕 サッカー元日本代表・坪井慶介がGSの総括、優勝予想を語る WOWOWで全試合を生中継
また、ポルトガルは個人的に注目している国の一つです。若くて良い選手もたくさんいますが、ぺぺ(ポルト、41歳)など、同世代の選手が活躍している点も注目している理由の一つです。クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)も39歳ですよね。その年齢でトップレベルで活躍しているのは本当にすごいことです。
個が強すぎるゆえにチームとしてはうまくいかない可能性もある中で、ちゃんと結果を出してきている点は素晴らしいなと思います。ある記事で、ジョアン・カンセロ(バルセロナ)が「(C・ロナウドは)ピークを過ぎているけど、色々な意味で影響力があるし、チームのために戦っているから代表でもできるんだ」といった趣旨の発言をしていました。若い選手が“彼はピークを過ぎている”と言えている環境は良いことだと思います。
僕はチームが結果を出していく上では、必ず経験豊富な選手が必要だと思っています。一方で、若い選手が育っていかないとチームのサイクルは回っていきません。そこをどれだけうまくやるかが監督の仕事だと思っています。僕自身、自分では(ベテランとしての振る舞いが)出来ていると思っていても、周りから見るとそうじゃないといったジレンマを感じていた時期がありました。ポルトガルの状態を見る限り、そういう意味でもとてもいい状態にあるんだろうなと感じます。
ーー優勝候補に挙げられているフランスの印象は?
点が取れない印象ですね。エンバペやデンベレ(パリ・サンジェルマン)、テュラム(インテル)など個の力で点が取れる選手たちが揃っているのに、ここまでは点が取れていない。その背景には、欧州各国の守備の固さとGKのレベルの高さが影響しているのかもしれません。
今大会は4ー3ー3とか4ー2ー3ー1のシステムを採用しているチームが多いですが、守備時には5バックに可変して守ったり、そのまま中盤でガチっとはめて守ったりと、守り方がすごく洗練されている印象があります。強力なサイドアタッカーがいるときは、後ろの枚数を増やすだけでなく、前の選手たちもおりてスペースを消すといったやり方がかなり洗練されている印象は受けます。一方、攻撃の部分ではウイングが非常に重要だと思っていて、ここで1枚2枚とはがせると一気に相手の守備組織が崩れます。ウイングが中に入ってサイドバックが上がってくる形でも良いですが、どちらにしてもサイドではがせる選手がいるかどうかが重要かなと思います。