日大第三者委員会の調査に被害者QB父が不愉快になった理由と問題点とは?
やはりというべきか。日大がアメリカンフットボール部の悪質タックル問題の真相究明と再発防止、大学のガバナンスチェックのために設置した第三者委員会の姿勢に問題が持ち上がった。 10日、日大との定期戦で悪質タックルを受けた関学大QB選手の父親、奥野康俊さんが「タックルを受けてから35日目」と、いう書き出しで、フェイスブックを更新。この日、午前10時から第三者委員会のヒアリングを受け、勝丸充啓委員長の説明に「不愉快」な感情を抱いたことを明らかにした。 奥野さんのフェイスブックによると、第三者委員会のヒアリングは委員長の勝丸弁護士と同じ弁護士事務所の磯貝健太郎弁護士の2人によって行われ、関学サイドからは、被害を受けて全治3週間の負傷をしたQB選手と、その父である奥野さん、そして奥野さんサイドの弁護士、関学大の鳥内監督、小野ディレクターの5人が出席して3時間半に及んだという。 その途中で奥野さんが「不愉快」になったのは、勝丸弁護士から「あのタックルは怪我を軽くするためのタックルだったのでは?」との意味不明の説明を聞いたときだ。パスを投げた後の無防備なQB選手の後ろから仕掛けられた極めて危険なタックルをそういう認識で話されたことに不信感を抱いたのである。 奥野さんは、ズバリこう委員長に質問をしたという。 「中立を担保するために、あなたは、日大との利害関係はあるのかないのか」 すると勝丸弁護士は、「ない」と答えた。 次に「今回の調査で日大からお金をもらっているのか」と聞くと「はい」との返事。 奥野さんは、「果たして、これで利害関係がないと言えるのか。明らかに、嘘だ。と私は感じた」という。 疑問と不信感を抱いた奥野さんは、日大との契約書の開示を求めたが、勝丸弁護士は「出来ない」と拒否したという。 「開示して困る事は無いはずだ」が、奥野さんがフェイスブックに書いた意見。 さらに奥野さんは「何を守るための第3者委員会なのだろうか、事実を確認するだけで、真相究明する気は全くない。息子に怪我をさせた理由を知りたい」と訴え、「このままでは、日大の、アメフト部の再起は遠のいてしまうのではと心配をする。家族ぐるみでお付き合いしている息子のアメフト仲間の日大部員も本当に可哀想だ」と、先行きへの不安を書き綴った。 奥野さんが、明らかにしたヒアリングの内容は一部だけだったが、ここまで突っ込んで書いたのには、3時間半のヒアリングを通じて、他にも、そう受け取らざるをえない雰囲気を感じとったのだろう。 日大は、勝丸委員長の選任について「日本弁護士連合会が定める『企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン』に則り、その独立性、中立性を担保し、中立公正な立場から調査を実施していただくために、学校法人日本大学とは、これまでに利害関係の一切ない弁護士に委員長を依頼することと致しました」としているが、その経緯は明らかにされていない。