「ヴァレンティノ」のピエールパオロ・ピッチョーリが退任 「私の旅路と夢を皆と分かち合えて光栄だった」
また、ピッチョーリー=クリエイティブ・ディレクターは、「全ての物語に始まりや終わりがあるわけではなく、影を残さないほど明るく輝く永遠の今を生きるものもある。私はこの会社に25年間在籍し、25年にわたり、私そして私たちのものであるこの美しい物語を織りなしてきた人々と共に存在し過ごしてきた。私が出会い、共に働き、夢を分かち合って美を創造した人々、そして、全ての人の属し変わることなく形に残るものを築き上げた人々のおかげで、全ては存在している。この愛と夢と美と人間らしさに満ちた財産を、私は今日も、そして永遠に大切にしていく」とコメント。「私たちが創り出した美とは、世界のあらゆる可能性、特に一人では想像もできなかったような可能性を与えてくれる人生、希望、機会、感謝、そして私の人々、私の心、そして愛。ヴァレンティノさんとジャンカルロ・ジャンメッティ(Giancarlo Giammetti)さんの信頼に感謝し、さまざまな点でこれを可能にしてくれた全ての人々に感謝している。私の旅路と夢を皆と分かち合えて光栄だった」と続けた。彼のこれからについては明らかになっていない。しかし、インスタグラムに投稿したメッセージの最後には、18歳になる自身の娘から聞かれた「どんな気分?」という問いに絡めて、「若く自由。そして、夢に満ちている。いつでも」と綴っており、今後の動向にも注目だ。
後任に関して、「ヴァレンティノ」のオーナーであるカタールの投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP)は、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)前「グッチ(GUCCI)」クリエイティブ・ディレクター、あるいはキウリを視野に入れているのではないかという憶測が流れている。しかし、昨年7月に同グループは広範な戦略的パートナーシップの一環として、「ヴァレンティノ」の株式30%をケリング(KERING)に売却。契約には、ケリングが28年までに「ヴァレンティノ」の株式の100%を取得するオプションが含まれているほか、メイフーラはケリングの株主となる可能性がある。このため、ケリング傘下の「グッチ」を突然去ったミケーレが「ヴァレンティノ」に加わるのは無理があるようにもみられる。