性被害を打ち明けられない子も…子どもを性犯罪から守るために「親ができる2つのこと」
保育園入園、それはつまり、育児と仕事に追われる日々のスタート。「“保育園の洗礼”って何?」「保育園のいきしぶりどうしたらいい?」「お友達とのトラブル、親はどうするべき?」……そんな不安を感じるパパママに贈る、『保育園一年生』。6人の保育の専門家たちと60人の先輩パパママたちの知識や情報、ハックなどをまとめた“秘伝の書”から、育児と仕事を両立させるコツを一部をご紹介します。 【漫画で読む「おうち性教育」】防犯のために親が子どもに教えるべき「NO・GO・TELL」
質問:保育園や習い事の場で起こる「子どもの性被害のニュース」を見ると心配になります
この質問に答えてくれるのは…… 新生児科医・小児科医 今西洋介先生。
回答:「ふたつの武器」を使って守ることが重要!
子どもの性被害は表面化までに時間かかるという特徴があり、それには理由があります。2021年に「子どもの性被害に特化した実務者」への調査が行われた結果、加害者の多くが子どもと関係性のある人物であることがわかりました。※1 子どもの生活に深くかかわる人物が加害者であった場合、子どもは被害を打ち明けることで加害者に迷惑がかかるのではと心配したり、自分の生活基盤が揺らぐことを不安に思ったりします。また、多くの子どもは性の知識をほとんど持たないため、受けた行為が加害であると認識できないことがあります。よって顕在化しづらいのです。 ※1 飛田 桂「子どもの性被害への対応に関する実態調査」2021年 https://www.moj.go.jp/content/001345135.pdf どもを性犯罪から守るためには、保護者と社会が一体となることが必要です。 社会的な取り組みとしては、「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」制度が検討されています。 保育園や幼稚園、学校で働く人が性犯罪歴がないことを証明するというものです。ただ、社会で守る態勢はまだ十分と言えないのが現実。 残念ながら親がふたつの方法で「自衛」していく必要があります。
子どもを性被害から守る2つの方法
ひとつめは性教育です。 正しい性の知識を身につけることで、 被害に遭った場合に大人にSOSを出すことができます。 ふたつめは子どもからのSOSを親が見逃さず、専門機関に相談することです。 受けた行為をそのまま親に伝える子もいますが 、「お腹が痛い」など間接的にSOSを出す子もいます 。様子が違うと感じたら話を聞きましょう。 思いがけないことを聞いたとしても、否定したり叱ったりせずに、辛抱強く傾聴することが重要です。 今西洋介先生 新生児科医・小児科医、小児医療ジャーナリスト、一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事。「ふらいと先生」としてSNSで小児医療・福祉に関する課題を社会に提起。漫画・ドラマ『コウノドリ』の取材協力を務める。NICUで新生児医療を行う傍ら、ヘルスプロモーションの会社を起業し、公衆衛生学の疫学研究を行う。三姉妹の父親。 X(旧Twitter):@doctor_nw 今回紹介したのはこちら 保育園一年生/サンマーク出版