目指すは水晶の玉のような勘三郎さんのお光。中村鶴松が『新版歌祭文 野崎村』への意気込みを語る!!
「最初、七之助さんに、『もしかしたらお光をやることになるかもしれないよ』と聞いたときは、まさか本当にさせていただけることになるとは思っていませんでした」と喜ぶ鶴松さん。大抜擢の裏には、天国の勘三郎さんの後押しがあったのかも。
鶴松 七之助さんは、食事の席で僕のことを「あいつのお光はいいと思う」「あいつのお光は見てみたい」と言っていたらしいんです。直接は伺っていないんですけれど、それを聞いてすごく嬉しくて。七之助さんの期待を裏切らないように頑張りたいです。 (坂東)彌十郎さんにもお電話でご報告しました。彌十郎さんは、小さい頃、勘三郎さんの舞台で、いつもご一緒していて、色々教えていただきましたし、とてもやさしく接してくださって。 それで今回「お光をやることになりました」とご報告したら、「本当に嬉しい」とご自分のことのように喜んでくださって、「一緒にやりましょう」と言ってくださいました。勘三郎さんとともにやってきた方なので、ご一緒できるのは本当に心強いです。 部長 勘三郎さんもきっとすごく喜んでいらっしゃるでしょうね。鶴松さんのことをとても可愛がっていて、「三番目の息子」とおっしゃっていたそうですね。 鶴松 喜んでくれていると思いますし、きっと必死になって教えてくれていたと思います。歌舞伎オタクで、芝居がよければ、それでいいんだっていう人でしたから…。僕ができる恩返しは、舞台の上でいいものをお客さまにお見せするということだけ。天国からお叱りの声が聞こえてきそうですけれど(笑)、勘三郎さんに少しでも褒めていただけるように頑張りたいと思います。 部長 では最後にバイラ読者に向けて、メッセージをお願いします!! 鶴松 はい。2月歌舞伎座の『野崎村』は、古典の演目ですけれど、人を好きになる気持ちは、今も昔も変わらないと思います。バイラの読者の方々にも感情移入してご覧いただけるんじゃないかなと。 歌舞伎の面白さ、素晴らしさがつまった作品で、ストーリーも難しくないし、早春が舞台で、季節的にもぴったり。歌舞伎初心者の方にも楽しんでいただけると思うので、ぜひ劇場にいらしてください。 部長 鶴松さんの可愛いお光、期待しかないです。昼の部は、勘九郎さん、七之助さんが初役で演じる『籠釣瓶花街酔醒』もあるし、見逃せないわ。 小僧 はいっ。寒い2月も歌舞伎座で熱く盛り上がりましょう!