「五島屋」解体着手 輪島の倒壊ビル、年度内に完了
能登半島地震で倒壊した輪島塗老舗「五島屋」の7階建てビルの公費解体作業が5日、輪島市河井町で始まった。市などによると、3階以上は年内の解体を見込み、ビル全体の取り壊しは年度内の完了を目指す。 ビルは市中心部にあり、上層階の部分が市道にはみ出す形のまま10カ月が経過して交通の妨げになっている。復旧を進める観点からも早期解体を望む声が市民から上がっており、近くに住む多賀美太郎(よしたろう)さん(65)は「倒壊したビルが残っていれば、復興していないという印象になる。早く解体してほしい」と話した。 ビルはコンクリート造りで、1970年代に建てられた。倒壊によって隣接する居酒屋が下敷きとなり、男性店主の妻と長女が犠牲となった。国土交通省が基礎部を調べており、調査に影響がない3階以上の部分から解体が進められる。