10歳の語り部が防災士に 漢字と格闘 「母と同じ震災ガイドに」
東日本大震災の被災地・岩手県釜石市の10歳の語り部・佐々木智桜(ちさ)さんが、防災士に合格した。日本防災士機構(東京)によると、県内では最年少で、約30万人いる防災士のうち10歳以下で取得した人は40人しかいない。 【写真】防災士に合格した佐々木智桜さん=2024年12月9日、岩手県釜石市、東野真和撮影 7月から勉強を始め、9月に盛岡市であった防災士研修講座を大人たちに交じって受けた。学校で習っていない漢字だらけの分厚い教材と格闘し、事前にレポートを提出して2日間講座を受けた後、テストをパスした。 智桜さんには保護者が付き添わなければならなかったので、津波で母を亡くした父の智之さん(42)も受講し、一緒に防災士になった。智桜さんは「津波だけでなく、なだれの構造など他の災害の勉強もできてよかった。停電でテレビが見られないのでラジオを大切にすることなど、語り部をグレードアップしたい」と話す。 将来の夢は、母が勤める近所の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」で一緒にガイドをすることだ。(東野真和)
朝日新聞社