【解説】岸田首相が「政倫審」出席へ 「最後のカード」? 決断の背景は…
■調整不発は誰のせい? 自民党議員に聞くと…“茂木幹事長の調整不足”
政治部・官邸キャップ 平本典昭 「岸田首相の責任については、ある自民党の中堅議員は、『自分で判断すべき局面なのに、危機感がない』と、トップのリーダーシップが欠如していると指摘しています。 そして、茂木幹事長の責任については、政倫審で交渉にあたったある議員は、『安倍派の幹部・重鎮委員を説得するのは、幹事長の仕事だろう』と、『茂木さんが仕事をサボタージュ=さぼっている』という声が出ていました。首相周辺からも、『本当は司令塔となる幹事長が、仕事をしていない』という声も聞きます。 ただ、問題は、2人の溝が岸田首相の“派閥解消”の打ち出しで、かなり深まってしまった点だと思います。あの時、茂木幹事長は周辺に、『とても大事な決断なのに、先に相談すらなかった』と話していたんです。茂木幹事長からすれば、岸田首相が自分に相談をせずに大事な決断をすること、つまり、“自分は信頼されてないのではないか”と、不信感を抱いているわけです。 こうした、No.1と No.2のミスコミュニケーションから、政権の意思決定の調整がつかず、スタックしてしまう、止まってしまう事項がすごく最近多いんです。 その結果、岸田首相が『追い込まれて、仕方なく、サプライズの一手を打つ』と、これが最近の『岸田パターン』になっていると思います」 藤井キャスター 「いつの世も、どの部隊も『聞いてないよ』ということが一番、人の心理をかき乱すのかもしれませんが…。 もともと、政治倫理審査会を公開で、皆さんにオープンにした状態で進めてもいいのではないかと思ったのですが、これを何かの条件にして、“開くか開かないか”ということが“政争の具”のような状況になってしまっているのは、あまりいい方向ではないと思います」
■「政治倫理審査会」 大事なのは“実態解明”が進むかどうか
藤井キャスター 「29日からの『政治倫理審査会』に求められることは、どんなことだと思いますか?」 政治部・官邸キャップ 平本典昭 「大事なのはやはり、“裏金事件”を受けた『実態解明』が進むかです。 まず、1つ指摘しなければいけないのは、捜査は1月に一区切りがついたなかで、国会が始まって1か月以上たって、ようやくこの場がセットされた、『遅い』という点。 あとは、大事なのは、やはり“実態解明”に向けて、特に安倍派幹部は率先して説明する責任を負っています。『裏金を何に使ったのか?』、『安倍派の組織的な裏金作りの実態がどうだったのか』、まだまだわからない点は多くあります。政治倫理審査会が、その解明につながるかが大事だと思います」