【解説】岸田首相が「政倫審」出席へ 「最後のカード」? 決断の背景は…
■首相の「決断」評価は? 側近「勝負師の一面を見せた」 野党 「国会を振り回しているだけ」
藤井キャスター 「結果的には“完全公開”の形で『政治倫理審査会』が行われるということになりましたが、この決断、岸田首相の行動は、どんな評価がされているのでしょうか?」 政治部・官邸キャップ 平本典昭 「プラス、マイナス、両方あると思います。 ある岸田首相の側近議員は、『岸田首相は“勝負師の一面を見せた”』と言っています。閣僚経験者の中には『身を切る覚悟を見せた』などという評価もあります。また、中堅議員の1人からは『これは“1つのリーダーシップ”だと、安倍派の議員からは『5人を引き出すよい作戦だ』という声もありました。 ただ、マイナスの声も非常に多く聞きます。 まず、野党側は非常に冷ややかに見ています。ある立憲民主党幹部は、『岸田首相自身はすでに国会で、予算委員会で説明していますから、「政倫審」に出てきても何の意味もないじゃないか』、『国会を振り回しているだけだ』と話しています。 身内の自民党内からでさえ、ある閣僚経験者は『勝手な発言だ。さらなる混乱を生む』という声もあります」 ◇ 政治部・官邸キャップ 平本典昭 「今回の“突然”の決断なのですが、ちょっと、“あの時と似ている”と、取材をしていて感じます。今年、派閥の問題で、岸田首相が突然、自ら会長を務めていた“岸田派を解散する”と言ったときと似ている、という声をきょう(28日)、よく聞きました。 あの時も岸田首相は、“自民党の派閥全体を解消したい”と打ち出したけれども、他が非常に慎重な姿勢でした。その時に、やはり今回と構図も一緒で、自ら姿勢を示して他への判断を迫る。この手法は、“岸田流サプライズ手法”だという声もあがっています。
■調整不発は誰のせい? 自民党議員に聞くと…“岸田首相の責任”
藤井キャスター 「各所で驚きの声はあがっているということですが、岸田首相はリーダーですから、“派閥を解散しろ”であるとか、“政治倫理審査会に出席しろ”というふうに『指示』をすれば済む話ではないのですか?」 政治部・官邸キャップ 平本典昭 「それが済まなくなっているのが、いまの岸田政権の状況だと思います。どうも、この“追い込まれてのサプライズ発表”の形が続いているんです。 その最大の要因は、いま『チーム岸田』に“司令塔が不在”の状況になっている、という点だと思います。その結果として、“自民党のガバナンスが低下”してしまっている、と思います。 何が起きているのか、27日の例で説明しますと、27日は「政治倫理審査会」の調整が不発に終わりました。自民党議員に『誰のせいなのか?』と28日に聞いてみると、2つあげていました。 1つ目は、まず、トップである『岸田首相の責任』。 2つ目は、No.2の党の責任者、『茂木幹事長の調整不足』を指摘する声が多い」