競泳ニッポンのムード―メーカー!? 初五輪の谷口卓「もう、すげぇわ、オリンピックって感じ」
競泳男子のパリ五輪代表が28日、都内で取材に応じた。24日閉幕の代表選考会で100メートル平泳ぎを制し、メドレーリレーメンバーとして初五輪切符をつかんだ谷口卓(中京大)は「もう、すげぇわ、オリンピックって感じです。実感はないですし、わかんないです。みんな夢、夢って言いますけど、そんな夢に見られるほどの物でもないと思うので。まだ良くわかんないですね」と、夢見心地に語った。 谷口は18日の100M平泳ぎ決勝で、59秒43の1位。個人での派遣標準記録(59秒26)にはわずかに届かなかったが、リレーメンバーは守った。「今回は、負けらんねぇな」と闘志を燃やした選考会。愛知から中京大の同期生も応援に駆けつけたと明かし「『お前のために、チケット代1万2000円くらいしたんだぞ』とか言われていたので。『お前が決まりそうだから行くけど』って。これ、(五輪に)行けなかったら何て言えばいいんだろうなって。周りが行かざるを得ない状況に持っていってくれた」と“秘話”を明かした。 囲み取材ではトーク力が光り、終始明るい対応。抜群のコミュニケーション能力の持ち主で、昨年出場したW杯では、100M平泳ぎの世界記録保持者、アダム・ピーティー(英国)に初対面で話しかけたという。「選手皆で固まって英語で話していて、僕はしゃべれないですけど、いってみようと思って。その間に入ってみたら、グータッチするくらい仲良くなって」。泳ぎの助言も手取足取りくれたと明かした谷口は「何言ってるかわかんなかったっすけど(笑い)」と、報道陣の爆笑を誘った。ピーティーとは、インスタグラムを通じて「パリで会おう」と約束していたと言う。 競泳ニッポンのムードメーカーになりそうな初出場の22歳。パリ五輪の目標を問われると「パリの目標…戦犯にならない、です。向こう(テレビ取材)でも言いました。戦犯になりたくないです」と、日の丸の重圧も感じさせた。春からは新社会人として臨むパリ五輪、谷口が持ち前の存在感と泳ぎで、男子メドレーリレーをけん引する。
報知新聞社