バスケ女子、京都精華3年連続2冠…土壇場で2年生が3点シュート決め3戦連続の接戦制す
バスケットボールの全国高校選手権は28日、東京体育館で女子決勝が行われ、京都精華(京都)が59―54で慶誠(熊本)を破り、3年連続3度目の優勝を果たした。今夏の全国高校総体でも3連覇を達成しており、3年連続の2冠。男子準決勝では、福岡大大濠(福岡)が東山(京都)に84―58で、鳥取城北(鳥取)は福岡第一(福岡)に81―58で、それぞれ勝った。
残り約50秒で京都精華のリードは、わずかに2点。勝敗がどちらに転ぶのか、全く分からない状況だった。味方シュートのこぼれ球に、ユサフ(3年)が懸命に腕を伸ばし、マイボールを確保。攻撃を続け、坂口(2年)が不十分な体勢から放った3点シュートは、吸い込まれるようにネットを揺らした。
準決勝は2点差、準々決勝は3点差と、いずれも僅差で勝ち上がってきた京都精華が、またも勝負強さを発揮した。林主将(3年)は「新チームになってから不安や重圧もあった。最後まで諦めず、全員で戦い抜くことができた」と歓喜の涙を流した。
過去2年のチームと比べれば小粒と周囲からは見られてきた。林主将は「今年のチームはどこで負けるか分からないので、目の前の試合に集中してきた」と振り返る。そのひたむきさが、土壇場での好プレーを引き出してきた。
校長でもある山本監督は「子供たちが試合ごとに結束して、精神的にも強くなってくれた」と、選手たちの成長をたたえた。林主将ら3年生たちは、総体と選手権で負け知らずのまま卒業する最強世代となった。(田上幸広)
慶誠が熊本県勢初の準優勝
慶誠を熊本県勢初の準優勝に導いた主将の岸(3年)は「勝って終わりたかったけれど、こんなにいい舞台で戦えた。仲間に感謝したい」と達成感をにじませた。独特の雰囲気に包まれる決勝の立ち上がり。得点が伸びず、第2クオーター途中には最大10点差をつけられた。それでも、粘り強い守備から得点を重ねて一時は逆転するなど、最後まで2連覇中の女王を苦しめた。