中村時広・愛媛県知事に聞く(全文1)人口減少、ビッグデータ使い婚活支援
ビッグデータを活用した婚活事業を他県に先駆け実施
── 具体的に、その1、2、3でやってらっしゃることを教えていただいてもいいですか。 はい。まずは出生率の上昇ということについては、二つのことがポイントになるのかなと思っています。 一つは、我々の時代のころは、男性も女性も、平均結婚年齢が大体26歳ぐらいだったと記憶しています。今が大体30歳前後、男女ともですね。4歳上昇したんですね。ということは、第1子の誕生年齢が、年齢的に高くなってくるんですね。となると、やはり第2子、第3子というのは、なかなか考えにくいという状況も生まれるんではないだろうかと。 じゃあ、何が原因なのかなということをアンケート等々でとってみると、意外な答えが見えてきたんです。それは出会いの機会がないというデータだったんですね。だとするならば、出会いの機会を、しっかりとした仕組みをもって公の立場である地方公共団体もこの分野に参入すべきではないかということで、7、8年前に愛媛県が婚活事業を始めました。非常に早い取り組みだったと思います。 当初は、どこでもやるような事業展開ぐらいしかできなかったんですけれども、2、3年ならし運転をした後に、ビッグデータを活用してマッチングの精度を高めようという試みを導入しました。
── ビッグデータとは、どのようなデータですか。 それぞれの個人の情報をデータ化して、何度も何度もマッチングをやっていますから、そういったものもデータ化して、例えば、この人は20人ぐらいの会であるならば、自己主張、PRができるけれども、1対1では全く主張ができないとか、人によってキャラクターが違うんですね。そういったものを男女ともにすり合わせて、ビッグデータの中でマッチングさせていくんですよ。 ですから、マンツーマンの機会がいいという方々には、そういう機会で婚活事業をやる、5人ぐらいがいいという方には、その規模でやる、30人とか大きな会のほうがいいという方には、そういう企画もする。こうしたようなことを繰り返していくと、カップルの成約率が格段に上がるんですね。