【老後2000万円問題】定年退職時の貯金が1000万円でした。同じような貯金額の人は日本にどれほどいるでしょうか?貯金額の分布も教えてください!
老後2000万円問題が話題となり、そこから老後の生活に不安を覚えて急いで貯金をし始めた人もいるでしょう。 しかし、すでに定年が迫っていた人にとっては時間が少なく、結局そこまで多くの貯金ができなかったという人が多数いてもおかしくはありません。そもそも、日本人は定年退職時にどの程度のお金を貯めているのか気になるところです。 本記事では、定年退職を迎えた時点の貯金額が1000万円だった人を想定し、同じような貯蓄額の人の割合や、貯金額の分布を紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後に2000万円が必要になる根拠
そもそも、老後に2000万円が必要になる理由を理解しておく必要があります。定年退職して無職になった人は、年金を受け取りながら生活することになるでしょう。定年退職をした夫婦2人が年金のみで平均的な消費支出額で生活を送る場合、毎月5.5万円ほどが不足するといわれています。そのまま20年間が経過すると不足分は1300万円を超え、30年間が経過すると不足分が2000万円弱となる計算です。 これが、老後に2000万円が必要になるという根拠ですが、当然ながら、消費支出額は世帯ごとに異なります。年金以外の収入もあれば、不足分はさらに少なくて済むか、あるいは、黒字になる世帯もあるでしょう。試算する場合は、あくまでも自分の世帯や状況に当てはめるのが重要です。
65歳以上の世帯の貯蓄額
では、総務省統計局の「家計調査(2022年)」の結果から、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄額についてみてみましょう。同世帯において、貯蓄額が900万円以上1000万円未満の世帯は2.4%、1000万円以上1200万円未満の世帯は6.1%となっています。定年退職時のみではなく65歳以上の世帯とはなりますが、1000万円前後の貯蓄のある世帯は8.5%ほどいる計算です。 また、金額は貯金を含めた貯蓄額である点にも注意しなければいけません。ただ、貯金が1000万円ある人は、貯蓄額も最低1000万円あることになります。他に金融資産があるのであれば、貯蓄額はさらに多くなるでしょう。 同調査結果によると、世帯主が65歳以上の世帯において、貯蓄額が1200万円以上1400万円未満の世帯は4.4%、1400万円以上1600万円未満の世帯は3.7%でした。1600万円以上2000万円未満は7.4%、2000万円以上の世帯は42.5%となっています。 さらに、金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2022年)」の結果もみてみましょう。それによると、世帯主が60歳代の世帯において、貯蓄額が700万円以上1000万円未満の世帯の割合は6.1%でした。 1000万円以上1500万円未満の世帯は8.6%です。調査方法や金額の幅は異なりますが、定年退職時の貯蓄額であれば、こちらのデータの方が参考にしやすいでしょう。