阪神・小幡竜平のサヨナラ打でリーグ戦再開白星発進 2試合連続サヨナラ勝ちは7年ぶり
(セ・リーグ、阪神1✕-0DeNA、9回戦、4勝4敗1分、21日、甲子園)阪神は劇的なサヨナラ勝ちでDeNAを破り、リーグ戦再開で白星スタートを切った。両軍無得点で迎えた九回2死一、二塁で小幡竜平内野手(23)が右前に適時打を放ち、二走の植田が生還。交流戦最終戦から2試合連続でサヨナラ勝ちし、3連勝で首位広島とのゲーム差を1・5に縮めた。 勝利を告げる快音が甲子園に響き渡る。夏至の日に再開したセ・リーグ。最後に待っていたのは太陽のように輝くカクテル光線と歓喜のウオーターシャワー。無念の離脱となった先輩の思いを胸に、小幡がサヨナラ劇の中心に立った。 「(自分で)決めたいなという思いは強かったですね。(ウオーターシャワーは)気持ちよかったです。あまり覚えていないですけど」 両軍ゼロ行進のまま迎えた九回2死一、二塁の好機。息を吐いて打席へと向かった。「真っすぐ多めの投手。振り負けないように思い切っていった」。カウント1-2から5球目、ウィックの150キロを引っ張った。 右前で弾んだ打球に二走・植田がヘッドスライディングでホームへとかえってくる。捕手のミットからこぼれ、転々とする白球。昨年6月3日のロッテ戦(甲子園)以来、自身2度目のサヨナラ打。響き渡る大歓声をバックに、両手を広げて仲間たちから祝福を受けた。 「出番が増えるので、しっかり準備するだけと思っていました」 16日に正遊撃手の座を争ってきた木浪が左肩甲骨の骨折で離脱。そこから、先輩の穴を埋める形で遊撃手として先発出場を続けている。 6歳違うが、小幡が2019年ドラフト2位、木浪が同3位の同期入団。ポジションを争い、しのぎを削る好敵手としてみられることも多い。もちろん互いに「自分が試合に出たい」という思いはある。ただ、単純にバチバチと火花を散らしあう間柄ではない。 日々、その表情を変える甲子園のグラウンド。小幡は言う。「試合前のノックで木浪さんから『きょう、ちょっと硬いわ』とあったり。先に守った方が確認して、準備し合ってますね」。日ごろから言葉を交わし、チームの勝利のために最善を尽くしてきた。 無念の離脱となった木浪から直接言葉をかけられてはいないが、「木浪さんはチームのために必要な方。だからこそ、僕も(試合に)出るからにはしっかりやらないといけない」。その思いは小幡の胸にしっかりと刻まれている。