藤岡真威人「父の深い愛に触れてきたから通ずるものがある」“演じてきた役で、一番自分に似ている”と語る理由
紅孩児とは、内面の根底に流れるものがとても近い
――役作りはどんなふうにしているんですか。 実を言うと、紅孩児はこれまで僕が演じてきた役の中で、一番僕自身に似ている気がするんです。愛情深い家庭に育っていますし、素直だねと言われることもすごく多い。紅孩児とは、内面の根底に流れるものがとても近いんじゃないかな。それを感じとっていただいたからこそのキャスティングなのかもしれないです(笑)。 ――特に、お父さまの藤岡弘、さんはものすごく愛情深い方だという印象です。 そうなんですよ……! 誰かを気遣う、なんて次元じゃなく、考えるよりも先に身体が動いて誰かのために何かをしてしまう、という人で、思いやりとはどういうことなのかを子どものころからずっと目の当たりにしてきました。父のように、困った人がいれば自然に手を差し伸べ、全体を見て行動できる人になれたら……と思ってはいるんですが、なかなかその境地には達せられないですね。父の場合は、オートで思いやり行動ができてしまうので。 ――すごいですね。 牛魔王とはタイプは違いますけど(笑)、でもそんな父の深い愛に触れてきたからこそ育まれてきたものが、一人息子として大事にされてきた紅孩児に通じるところがあるような気もします。これまで、僕自身とはあまり似ていない役が多かったからこそ、似ている役を演じたときにどんな感覚が引き出されるのか、どんな発見があるのか楽しみです。松平さんと中山さんをはじめ、共演者の方々が第一線で活躍されている大先輩ばかりなので、その掛け合いから生まれる空気感で、自分の可能性を広げてよりよい舞台をつくっていきたいです。 ――ちなみに堤(幸彦)さんは、本番の三分前に指示を出してくることもあるとか……。 怖いですよね!(笑) でも、厳しい演出のもとだからこそ学べることがあるので頑張ります。それと僕は、舞台・映像にかかわらず「アクションをやりたい」というのが、この世界に入った一番の動機で。殺陣に限らず、さまざまな仕掛けを使って縦横無尽に大舞台を駆け抜ける本作品に参加できるのが、本当にうれしいです。 ――武器も扱いますしね。 子どもの頃から武道を習っていて、長い木の棒を使った古武術も嗜んではいるので、経験が生かせるといいなと思っています。ただ、これまでやってきたものと、“魅せるためのアクション”はまた全然違うと思うので、また一から学ばせていただくつもりで挑みたいです。