滋賀県警察本部

滋賀県に住む女性が、韓国アイドルに成りすました人物から、現金およそ350万円をだまし取られる詐欺事件が発生しました。 警察は、外国籍を名乗る人物が被害者に恋愛感情を抱かせて金をだまし取る、いわゆる「国際ロマンス詐欺」とみて捜査しています。

■イ・ジュノさん本人からのDMと信じてしまう　「おはよう」「おやすみ」LINEでやり取り

警察によると、ことし1月下旬、滋賀県長浜市に住むパート従業員の44歳の女性のもとに、インスタグラムのダイレクトメッセージ（DM）で、韓国の人気アイドル「2PM」のイ・ジュノさんに成りすました人物から、連絡がありました。 その後、女性はイ・ジュノさんをかたる人物とLINEを交換し、「おはよう」「おやすみ」といったメッセージのやり取りをするようになったということです。

■「あなたと一緒に休暇を過ごしたい」事務所幹部と連絡を取るよう促される

そして、女性は、イ・ジュノさんをかたる人物から「あなたと一緒に休暇を過ごしたい。休暇を一緒に過ごすためには、所属事務所の幹部と連絡を取ってほしい」などとLINEで伝えられました。 LINEに記された幹部のメールアドレスに女性が連絡すると、事務所幹部をかたる人物から「休暇中無事に過ごせるように生命保険の費用などを支払わなければならない」と伝えられたため、1月29日、女性はネットバンキングで事務所幹部を名乗る人物から指定された口座に生命保険の費用として23万円を振り込みました。 すると、幹部を名乗る人物は女性に対し、「休業証明書にスタンプを押すために50万円を支払わなければならない。支払った50万円も1カ月以内に150万円にして返金する」と50万円の振り込みを要求してきたということで、1月31日、女性は2日前と同様、50万円を指定された口座に振り込みました。

■「8億ドル（約1210億円）が入った警備会社のブリーフケースを保管してほしい。無事に来日すれば500万ドル（約7億5000万円）を支払う」信じてしまった女性

その後、イ・ジュノさんを名乗る人物から「8億ドル（約1210億円）が入った警備会社のブリーフケースを保管してほしい。無事に来日すれば500万ドル（約7億5000万円）を支払う。そのために警備会社と連絡を取り合ってほしい」とLINEがありました。 言われた通り、女性が指定された警備会社のメールに連絡したところ、警備会社を名乗る人物から「荷物の登録料として80万円が必要」と伝えられ、2月7日、今度は警備会社に指定された口座に、80万円を振り込んだということです。 しかし、次は、警備会社を名乗る人物から「荷物が税関で止められた。解決するためには450万円を支払う必要がある。あなたの逮捕につながる必要がある」とイ・ジュノさんが所得を隠していたことが発覚したため、所得隠しを知っていた女性も逮捕される可能性があるなどと嘘の情報で脅され、女性は、2月20日に200万円を振り込みました。