チリにハワイに...海外で大規模な山火事が発生する理由とは?
今月、南米のチリでは大規模な山火事が発生し、100名を超える方々が亡くなられました。また、昨年はハワイのマウイ島でも大規模な火災が発生しました。日本でも山火事が起きるものの、ここまでの大規模な火災が起きないのはなぜなのでしょうか?CBCラジオで2月21日に放送された『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーが、山火事が起こるメカニズムについて解説しました。
山火事が発生する原因
そもそも山火事が発生する主な原因は何でしょうか?「日本と海外で事情が違う」と語る沢、日本での主な原因は「ズバリ人のせい」と続けます。 火の不始末が多く、タバコやキャンプでの火を使った調理だけではなく、枯れ木をまとめて燃やして処分しようとする、いわゆる「野焼き」なども挙げられ、これが強風で煽られて広がっていくケースがあるようです。 一方、海外での主な原因は自然現象だそうで、ひとつは雷です。 日本では雷といえば雨が降っている時に起きるのが一般的で、雷が木に当たって電気の力で火が付きますが、雨で消火されるため、山火事にはつながらないことがあります。 ただ、気象のメカニズムとしては、積乱雲の真ん中で雨が降っているものの、雷は積乱雲の周りでも起き得るため、必ずしも雨と一緒というわけではありません。
木のタイプが日本とは異なる
また、乾燥が極度に進んでいるところでは、木の摩擦により火が起こることがあるそうです。 日本でなかなか発生しないのは、極度に乾燥しないこともありますが、植生のタイプもあるとのことです。 乾燥している地域の木は自ら水分を逃がさないよう、表面に油分をたっぷり含んでいることが多く、発火点が低くて火がつきやすく、さらに枯れ木だと水分が少なく、より火がつきやすいとのことです。 そして、飛び火に飛び火が重なって、大規模な山火事へと発展してしまうわけです。 沢によれば、カリフォルニアやオーストラリア、南米などは同じような乾燥地域で、大陸の西側は乾燥しているとのこと。 海外の乾燥している地域では、火がつきやすいということですね。