年収130万円の壁は崩れるか?「国民年金第3号被保険者」制度に対する賛成派と反対派の割合は
会社員の配偶者(第2号被保険者)に扶養されている、年収130万円未満で20歳以上60歳未満の人は、自身で保険料負担をせずに基礎年金が受け取れる「国民年金第3号被保険者」となる。年収の壁を超えないような働き方をしたい場合、求人を厳選する必要も出てくる。 【グラフ5枚】「国民年金第3号被保険者」制度についてどう思うか、世代別に回答をグラフで見る! アイデムは、2024年8月に総合求人サイト『イーアイデム』を通じて求人に応募した会員を対象に「国民年金第3号被保険者」の制度についてなど、仕事探しに関する調査を実施したので、結果を一部抜粋してお伝えしよう。
「国民年金第3号被保険者」の制度、「どちらかと言えば賛成」44.2%、「賛成」29.5%、「どちらかと言えば反対」17.2%、「反対」9.1%
求人に応募した人に、国民年金第3号被保険者制度についての説明を読んでもらったのち、この制度についての印象をきいた。説明文は次の通り。 『一般的には、会社員の配偶者(第2号被保険者)に扶養されている、年収130万円未満で20歳以上60歳未満の者。自身で保険料負担をせずに基礎年金が受け取れる』 全体では「どちらかと言えば賛成」が44.2%、「賛成」が29.5%、「どちらかと言えば反対」が17.2%、「反対」が9.1%となり、四分の三が好意的な意見のようだ。 属性別にみると、「女性」ではほかの属性と比べて反対意見の割合が多い(30.6%)。第3号被保険者の99%は女性であるが、収入や家族の状況によって左右される部分でもあるため、負担の不公平感から不満が多いかもしれない。 制度制定時から社会情勢の変化もあり、現在廃止の方向で検討が進んでいる制度だが、賛成派の多さから撤廃されたときには混乱が生まれそうだ。
「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」11.8%で、適用外の希望者は年々減少
求人に応募した人のうち、非正規雇用を希望する人(パート・アルバイト、契約社員または嘱託社員、派遣社員の計)に、社会保険への加入希望をきいた。 非正規雇用希望者全体では、「社会保険加入有無にはこだわっていない」が最も多く40.4%、次いで「社会保険に加入できる仕事につきたい」が37.0%、「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」が11.8%という結果に。 同様の調査は2021年から毎年行っているが、年々「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」という割合は減ってきている。 年代別に回答結果をみると、「社会保険に加入できる仕事につきたい」は「50代」で最も多く53.1%となり、半数以上を占めた。 一方で「40代」では「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」が他の年代と比べ高く24.1%で、就労調整ができる職場が好まれそうだ。「30代以下」では56.8%が「わからない」と回答している。 面接時や入社時にはどのような働き方をすると加入・非加入なのか、説明する必要があるかもしれない。 性別にみてみると、「男性」のほうが「女性」よりも「社会保険に加入できる仕事につきたい」という割合が多いようだ(41.4%)。 求人に応募した人に、今回の求職活動期間の中で、求人に応募する件数の目安があるかどうかきいた。 全体では、「 2~5件」が最も多く37.6%、次いで「件数に目安はなく、良い条件があれはすべて応募したい」が31.0% 、「1件だけ」が21.9%、 「6~10件」が6.6% 、「11件以上」が2.9%となった。「1件だけ」以外を選んだ割合は全体の8割となった。 希望雇用形態別にみると、「正社員」では、「件数に目安はなく、よい条件の求人があればすべて応募したい」の割合は39.4%で、4割は目安を設けていないことが判明。 「パートまたはアルバイト」では「2~5件」応募するとした割合が37.3%、「1件だけ」が30.7%で、応募件数に目安を設けて活動している人が多いようだ。