月50万円を売り上げるケースも!? 「コイン精米機」でおいしい“副業ビジネス”
農林水産省によると国民1人当たりの米消費量は約60年で半分以下にまで減っているのだという。ところが、ジリ貧の業界にありながらも健闘している分野がある。コイン精米機だ。しかも、副業ビジネスとして大モテらしい。 【写真をみる】月50万円を売り上げる“人気スポット”は?
「駐車場や米屋さんの横でたまに見かけるのがコイン精米機ですが、お米の量に応じて100~600円で玄米を白米にしてくれる。もみ米から直接精米する機械もあります。主なメーカーはクボタ、井関農機、ヤンマーなど。精米機は1台400万~500万円しますが、車が1台停められるスペースがあれば稼働できるので、数年前から副業で精米機を買う人が増えているのです」(農業ジャーナリスト)
月50万円売り上げるスポットは……
そんなコイン精米機が全国に何台あるのかというと、正確な統計はない。インターネットで検索すると六千数百台や八千数百台といった数字が出てくるが、 「いや、おそらく1万台を超えているでしょう」 とは、神奈川県相模原市でコイン精米機の販売を手がけている「FORT」の担当者だ。で、どのぐらい儲かるのだろうか。 「当たり前の話ですが、場所によります。人気があるのが、玄米を扱っているホームセンターや郊外型のスーパーの近く。私どもが知っているケースでは1カ月の売り上げが50万円という場所もあります」 そんなに稼いでくれるのなら、500万円投資しても1年で回収できてしまうではないか。しかし、精米に1回100円を使ったとしても、1日あたり160~170人が利用しなければならない。世の中には、そんなに“精米好き”がいたっけ? 「もちろん人気がないところは1カ月5万~6万円という場合もあります。全国に精米機が増え過ぎたために以前ほどではありませんが、ネット通販で農家から直接玄米やもみ米を買う人が増えており、副業としては、まだまだおいしいビジネスだと思います」 実際、大手メーカーもコイン精米機を買った場合の「収益シミュレーション」を自社サイトに載せている。もしかしたら、農家に田植え機を売るより儲かるのだろうか。
「週刊新潮」2024年8月29日号 掲載
新潮社