アメリカ海軍が初めて実戦で使用したミサイル「SM-3」とは…大気圏外での迎撃能力も(海外)
アメリカ海軍の軍艦は4月13日、イランの弾道ミサイルを迎撃するために「SM-3」を発射した。 【全画像をみる】アメリカ海軍が初めて実戦で使用したミサイル「SM-3」とは…大気圏外での迎撃能力も カルロス・デル・トロ海軍長官は、4月16日の公聴会でSM-3を使用したことを認めた。 この大気圏外迎撃ミサイルが戦闘で使用されたのは初めてのことだ。 2024年4月13日、イランの前代未聞の攻撃からイスラエルを守るため、アメリカ海軍の艦艇が迎撃ミサイル「SM-3」を実戦で初めて使用した。 カルロス・デル・トロ(Carlos Del Toro)海軍長官によると、イランとその友軍が大規模な集中砲火の一環として300発以上のミサイルやドローンを発射したことから、アメリカ軍はそれを迎え撃つためにRIM-161スタンダード・ミサイル3(SM-3)を発射したという。 「イランからの弾道ミサイルの脅威に対抗するため、我々はSM-2、SM-6、そして週末にはSM-3を発射した」と、デル・トロは4月16日に行われた上院国防歳出小委員会の公聴会で述べた。 アメリカ政府高官は以前、地中海東部で活動している駆逐艦2隻(アーレイ・バークとカーニー)がイランの弾道ミサイル4発を撃破したと述べていたが、どのように撃墜したのかは明らかにされていない。 USNI Newsは4月15日、匿名の国防当局者の話として、ミサイルを迎撃するために4~7発のSM-3が、2隻の艦船から発射されたと報じた。デル・トロ長官による議会でのコメントは、米海軍がSM-3の使用を初めて公に認めたものだ。 SM-3は米海軍の先進的なイージス戦闘システムの一部であり、発射後の飛行のフェーズで短距離あるいは中距離の弾道ミサイルを破壊するために、運動エネルギー兵器が用いられる。SM-3は大気圏外迎撃能力を備えており、アメリカ海軍の他の防空兵器とは異なり、地球の大気圏外のターゲットを除去できる。 「SM-3は独特な兵器だ。というのも宇宙の真空中で動作するように設計された唯一のスタンダードミサイルだからだ」と戦略国際問題研究所(CSIS)ミサイル防衛プロジェクトで指摘している。 SM-3にはいくつかの種類があり、軍艦の垂直発射システムから発射できる。SM-3は過去20年間に数十回のテストが行われたにもかかわらず、これまで実戦で使用されたことはなかった。 今回、SM-3が初めて実戦に投入されたが、他にも大気圏外兵器が使用されていた。
Jake Epstein