プーチン氏、極超音速中距離弾道ミサイルを発射と表明 長射程兵器使用の報復
ウクライナは21日、ロシアが同国東部に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦で初めて使用したと発表した。一方ロシアのプーチン大統領は、新型の極超音速中距離弾道ミサイルで攻撃したと表明。ミサイルの種類については議論があるものの、核搭載可能で複数の弾頭を持つ兵器とみられ、33カ月に及ぶ戦争がさらにエスカレートしたことを示している。 ロシアのプーチン大統領は21日にテレビ演説で、ウクライナが西側諸国から供与された長射程兵器を使用してロシアを攻撃したことへの報復として、ウクライナの軍事施設を新型の極超音速中距離弾道ミサイルで攻撃したと表明した。 ロシア プーチン大統領 「戦闘状況下で、ロシアの最新鋭の中距離ミサイルシステムの1つが試された。今回は、非核極超音速弾頭を搭載した弾道ミサイルが使用された」 ウクライナは、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦で初めて使用したと主張。同国東部のドニプロに着弾したとしていた。 しかし米当局者3人は、これは射程距離の短い中距離弾道ミサイルだと述べた。また当局者の1人によると、ロシアから攻撃について事前に通知されていたという。核兵器が搭載されていたという情報はなかった。 被害を受けた地元当局は、攻撃によって企業に被害が出たと発表。火災も起きたという。 ドニプロの医療機関の職員は「施設が被害を受けた。リハビリセンターの建物で窓ガラスが約50枚割れた。幸いけが人はいなかった」と話していた。 ミサイルの種類は議論があるが、今回の攻撃は過去数日間に急速に高まった緊張を浮き彫りにした。 ウクライナは今週、米国と英国製のミサイルを相次いでロシア領内に向けて発射した。これは、退任するバイデン大統領がこれらの兵器の使用を容認する姿勢に転じたことを受けたものだ。ロシアは以前から、そうした兵器の使用容認は重大なエスカレーションとみなすと警告していた。 バイデン政権による巨額支援を批判してきたトランプ次期米大統領は、方法を示さないままウクライナ戦争を早期に終わらせると主張。ウクライナとロシアは、トランプ氏が和平交渉を推進する可能性が高いと考え、少しでも有利な立場を築こうとしている。 *見出しを修正して再送します。