大地震のXデーに備えて「防災食」としてのシュウマイを常備すべし!【みんなが知らない、シュウマイの実力】
連載【日本シュウマイ協会会長・シュウマイ潤の『みんなが知らない、シュウマイの実力』】第2回 常温、冷蔵、冷凍と、シュウマイはさまざまな形で自宅でストック可能なので、実は災害時に大活躍。その保存方法や調理方法を、シュウマイ研究家のシュウマイ潤が教えます。 【写真】ストックしておくと便利なシュウマイ商品 * * * 東日本大震災が発生して13年が過ぎました。今年元旦には能登半島地震もあり、今も被災した方々は厳しい生活を求められています。その影響から、例年以上に防災に対しての意識が高まっている方も多いと思います。 シュウマイは、そんなときにも活躍する優秀な防災食です。 防災食というと、カンパンや缶詰、レトルト食品などを思い浮かべるかと思いますが、最近では水を注ぐだけで食べられる雑炊などもあり、レパートリーは増えてきています。 それでも、防災食で不足するのが「主菜=メインのおかず」。缶詰は初期災害時の貴重な「主菜」のひとつですが、冷めた状態で味わうこともあり、どうしても日が経つと飽きてきます。 また、携帯コンロと鍋と水が確保できれば、火を使って「主菜」を作ることもできますが、災害時は水も貴重であり、包丁など調理道具もできるだけ使わず、鍋などの洗い物も最小限に抑えたいところ。 そうした条件を満たしてくれる「主菜」が、シュウマイなのです。 ただ、シュウマイは冷凍、冷蔵食品がほとんどで、災害時には役に立たないのでは?という意見を持つ方もいるでしょう。 確かに、水も電気もなく住まいも崩壊するなどの状態では、火も水もいらない食品が必要になりますが、そこまで被害が大きくなく、自宅や電気などは無事な場合でも、物流網が麻痺して食料の供給が断たれる場合があります。 そうした際を見越して数日分の冷凍、冷蔵食品をストックしておくことは非常に重要です。最悪、停電や断水が続く場合でも、冷凍庫は扉を開けなければ2~3時間はもつ(日本冷凍食品協会より)と言われており、直近の「主菜」にすることはできます。 また、冷凍食品はそれ自体が保冷剤の代わりにもなるので、ストックしておくこと自体重要なのです。 シュウマイはある意味、味付けが完成された肉料理。それが冷蔵、冷凍などの状態で保存でき、それ自体を温めてしまえば完成。ただ、災害時の停電などを想定すると、レンジが使えないなか、蒸し器の加熱は面倒だと思う方もいると思いますが、そんな調理をしなくてもシュウマイは食べられます。 沸騰したお湯に入れて茹でる。「水餃子」ならぬ「水シュウマイ」。餃子よりも薄皮がつるんとして、ワンタン的な美味しさも味わえて、蒸しシュウマイとは異なる魅力を味わえます。 特に災害時は、貴重なお湯も有効活用するために、「スープシュウマイ」にしてしまうのがオススメ。お湯に中華スープの素や和風だしの素を入れて煮込めば完成。シュウマイのうまみがスープに溶け込み、シュウマイの隠れた実力を知ることのできる料理で、災害時でなくても十分楽しめます。 そのまま食べるだけでなく、シュウマイを潰して使えば、簡易的なひき肉素材に。ご飯や麺類とあえて食べる方法もあります。