大谷&ダルが並んだ時の「空気は違った」 “伝説”の数分前…スタッフが忘れられない瞬間
鈴木優氏がインタビュー取材…お相手はWBCで侍Jを支えたルーク篠田さん
オリックスと巨人で投手としてプレーし、2022年限りで現役を退いた鈴木優氏は現在米国留学中で、「パ・リーグ インサイト」のスタッフを務めている。鈴木氏の中学時代からの親友で、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で野球日本代表「侍ジャパン」のコーディネーターを務めたルーク篠田さんに、改めて大会を振り返ってもらった。今回は後編。 【動画】奇跡の光景…ダルビッシュ&大谷翔平の“共演”にファン悶絶「ずっと見ていたい」「最高すぎる」 ◇◇◇◇◇◇◇ 鈴木優(以下、鈴木):大谷(翔平)選手、ダルビッシュ投手をはじめとしたMLBの選手が、NPB所属の選手たちに与えた影響についてはどう? ルーク篠田(以下、ルーク):アメリカ志向になった選手が増えたと思う。トレーニング方法、メジャー球団の一日のスケジュール、用具のこととか。今までの侍ジャパンの中で一番平均年齢が若かったから、情報が入ってきていない分も多少はあると思うけど……。ダルさんを見て育っている世代の選手も結構いて、向上心にもつながっていたと思う。 鈴木:確か強化合宿中も、ダルビッシュ投手がトラックマンとかのデータの見方をNPBの選手に教えていたんだよね? ルーク:データに関しては「回転数はこうだったよ」とだけ言われてもわからないから、例えば「この回転数でこの角度で、これ以上曲がっているからこの球種になるんだよ」と事細かく教えているのが印象的だった。その時点で若手の選手にとってプラスになっているよね。 鈴木:MLBとNPBでは、まだデータへの理解の差があると思うから、ダルビッシュ投手のようなMLBの第一線でプレーしている方が、直接NPBの選手に伝えるのはすごくいいことだよね。 鈴木:今回のWBCでルークが一番映ったのは、メキシコ戦(準決勝)でサヨナラ打を打った村上宗隆選手に、山本由伸投手、佐々木朗希投手と一緒にスポーツドリンクをかけた時だと思う。裏話を聞かせてもらえますか? ルーク:アメリカのベンチには、基本的に水とスポーツドリンクの「ゲータレード」が置いてあるんだけど、やっぱり日本人選手はアメリカの甘いスポーツドリンクをあまり飲まなくて。だから、あのボトルがほぼ満杯な状態で残っていた。そして、グラウンドで村上選手のヒーローインタビューをやっている時、たまたま山本投手と佐々木投手がベンチの近くにいたんだよね。アメリカの文化として、サヨナラの時はぶっかけないと(笑)。 鈴木:自信のある推測だけど、これはルークからの提案だよね? ルーク:2人には「いいんですか?」って言われた(笑)。この文化をアメリカのメディアは知っているから、ドリンクの周りに2人が来た時点で察したのか、カメラをもう向け始めて「ゲータレードかけやるでしょ」という雰囲気が出ていて。「2人でかけに行って!」と言ったら、「え、いいんですか? 大丈夫なんですか?」と。持ち上げようとしたらめちゃくちゃ重くて、これは3人で運ぶしかないと思って僕も行きました。