【高校ラグビー】東海大静岡翔洋は山形中央下し初戦突破も慢心せず「今日みたいな試合では次は勝てない」
◆全国高校ラグビー第2日▽1回戦 東海大静岡翔洋21―17山形中央(28日・花園) 2大会ぶり13度目の出場となった東海大静岡翔洋が、1回戦で山形中央(山形)に21―17で競り勝った。前半3分にいきなり先制トライを許したが、同5分にロック内田智也(2年)がキックチャージからの攻撃でトライを奪って、流れを呼び込んだ。30日の2回戦は関商工(岐阜)と対戦。勝てば、元日開催の3回戦に2002年度以来、22大会ぶりに進出する。 内田が体を張って、翔洋のムードを変えた。開始3分で失点。「始めにポンと取られて想定外でした。選手もダメージがあったかと…」。津高宏行監督(41)の表情が曇りかけた瞬間、2年生ロックのビッグプレーが飛び出した。 登録メンバーで2人いる最長身177センチ。自陣からキックしようとする相手選手に向かって、手を伸ばして飛びかかった。マイボールにすると、最後はラックからゴール中央へトライ。FB白鳥皓大(3年)のゴールキックも成功し、失点2分後に7―7に追いついた。 「右手に当たって、しばらくジンジンしてました(笑)。持ち味を生かしたプレーができました。緊張もしていましたが、こういう舞台に立てて、トライも取れてうれしいです」。翔洋が全国切符をつかんだ前回22年度の県大会決勝を観戦し、憧れを抱いた。競技歴はまだ2年だが、小・中学時代は野球、レスリング、バスケを経験。抜群の運動能力を花園で発揮した。 前半5分以降は同26分にSO堀井涼太(3年)、後半19分には俊足WTB榊原悠生(3年)がトライを決め、スコアでは逆転を許さなかった。ただ、風上に立った前半から自陣でプレーする時間が長かった。指揮官は「自分たちのラグビーをさせてもらえずに、受けに回っていた。いつもと違う環境で力を発揮できていなかった」と、初戦の硬さを指摘した。 全国大会の厳しさを味わい、2回戦で迎えるのは関商工。6月の東海総体では33―7で勝った相手はこの日、倉吉東(鳥取)相手に88―0で圧勝発進している。「今日みたいな試合では次は勝てない。アタック、ディフェンスとも前に出るラグビーをやりたいです」と津高監督。チームの雰囲気をしっかり引き締めて、目標の「年越し」がかかる次戦に臨む。(武田 泰淳)
報知新聞社