内縁の妻死亡…橋の上で何度も刺した男、法廷で泣く 浮気めぐり口論になった夕方…車で通りかかった女性が殺害を目撃 男が包丁を持っていた理由「内縁妻の新しい交際相手から襲われないか心配で」
2022年6月、内縁の妻=当時(43)=を包丁で複数回刺して殺害したとして、殺人と覚醒剤取締法違反、銃刀法違反の罪に問われたブラジル国籍の住居不定、無職の男(33)の裁判員裁判の初公判が2日、さいたま地裁(江見健一裁判長)で開かれた。被告は法廷ですすり泣く様子を見せ、「覚醒剤については知らないが、その他は全て正しいです」と殺人の起訴内容は認め、覚醒剤使用は争う姿勢を示した。 疑惑あった娘の元彼、父がバーで踏みつけマグロ解体機でばらばらにし焼却…否認の理由は バー経営者は自殺
検察側は冒頭陳述で、女性の浮気を疑い、本庄市山王堂にある坂東大橋の歩道上で口論になった末、包丁で複数回刺したとして「犯行態様は悪質で、結果は重大。動機に酌むべき事情はない」と指摘。犯行後に群馬県警管内の交番に出頭したことについては、法律上の自首に当たらないとした。 一方、弁護側は女性の新しい交際相手から襲われることを恐れ包丁を持っていたと説明。被告がアルコール依存症だったとし、「嫉妬を妄想的に発展させ、犯行を決意させた可能性がある」と主張した。 起訴状などによると、被告は22年6月12日、本庄市内の歩道上で、女性の胸を包丁で複数回刺して殺害。5月下旬ごろ~6月12日の間に、覚醒剤を使用したとされる。 ■交番前に座り込んだ男(以下、初報記事) 本庄署は2022年6月13日、殺人の容疑で住居不詳、ブラジル国籍で自称アルバイトの男(30)を逮捕した。 逮捕容疑は12日午後4時50分ごろ、本庄市山王堂の坂東大橋の歩道上で、ブラジル国籍の女性(43)の胸部など上半身を刃物のようなもので複数回刺し殺害した疑い。「殺すつもりで刺したことは間違いない」と容疑を認めているという。
同署によると、同日午後4時54分ごろ、橋を車で進行していた女性が「外国人風の男性が外国人風の女性を刺していた」と110番。午後5時54分ごろ、通報を受けてパトカーで警戒していた群馬県警の警察官が伊勢崎署管内の交番前に座り込んでいる男を発見。職務質問したところ、犯行を自供したことから、本庄署に任意同行し逮捕した。 2人は過去に内縁関係にあったことが分かっているが、男は現在も「正式には結婚していないが、内縁関係」と話しているという。 県警によると、女性の上半身には十数個の刺切創があり、死因は失血死だった。現場周辺から凶器とみられる刃物が見つかった。県警で犯行動機などを調べている。