【壮絶な米国株式市場】いま株高の大手7社「マグニフィセント・セブン」“荒野の7人”を待ち受ける過酷な結末(ストラテジストが解説)
※本稿は、チーフグローバルストラテジスト・白木久史氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。
------------------------------------- 【目次】 1. 世界市場を席巻する「マグニフィセント・セブン」 2. 米ハイテク株が繰り広げる壮絶なサバイバルゲーム 3. グローバル小型成長株投資の世界 ------------------------------------- その馴染みやすさや良好な株価パフォーマンスもあって、米国のハイテク株が人気です。アップルのスマホ、アマゾンの通販、検索エンジンのグーグルや動画サイトのYouTubeなど、米国ハイテク企業のサービスは私たちの生活に欠かせない存在となっています。また、話題の生成AI向け半導体で急成長するエヌビディアやEVメーカーのテスラなども、その存在感は急速に高まっています。こうした米国のハイテク株への投資に死角はないのでしょうか。
1. 世界市場を席巻する「マグニフィセント・セブン」
■米国を代表するハイテク企業であるグーグルの親会社アルファベット(G)、アップル(A)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(F)、そしてアマゾン・ドット・コム(A)の4社の頭文字をとってGAFAと呼ばれているのは皆さんご存じのとおりです。そして最近では、このGAFAにマイクロソフト、エヌビディア、そしてテスラを加えた大手7社を「マグニフィセント・セブン」と呼ぶようになっています。 ■直訳すると「壮大な7社」といったところでしょうか。ちなみにこの「マグニフィセント・セブン」という名称は、アカデミー賞俳優のユル・ブリンナーが主演した西部劇、「The Magnificent Seven(邦題:荒野の七人)」にあやかりつけられたものです。 ■映画の中で7人のガンマンは、貧しい農村で略奪を繰り返す盗賊団を知恵と勇気で撃退します。一方、現代の株式市場で活躍するマグニフィセント・セブンは、圧倒的な重装備でライバルを蹴散らし、各国規制当局の包囲網を物ともせず世界市場を席巻しています。そんなマグニフィセント・セブンの株価は今年に入り好調が続いていて、7社合計の時価増額は昨年末比で約7割も増えています(図表1)。一方、この7社を除いたS&P500種指数の時価総額は年初来でほぼ横ばいの推移が続いており、今年の米国株式市場の反発がマグニフィセント・セブン主導のものであったことが分かります。