「新NISA、新NISA」と叫ばれる昨今だが…その前に知っておきたい“そもそもNISAって何?”という素朴なギモン【投資のプロが解説】
2024年1月から運用開始する「新NISA」について、「こんなに素晴らしい非課税投資制度を利用しないのはもったいない」…チャンネル登録数20万人超のユーチューバー「ライオン兄さん」としても活動する山口貴大氏は語ります。“忙しい”“難しい”“損したくない”“お金がない”という理由で、まだ始めていない人こそ、新NISAの仕組みと活用法を知ることが大切。山口氏の著書『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、まずは「NISA」という制度の特徴について解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
長期的に利益が得やすいように設計された「NISA」
2024年から始まる新しいNISA(ニーサ)。手放しで「これは素晴らしい」と拍手喝采したい投資制度です。 そもそも、「NISA」は「Nippon Individual Savings Account」の略で、直訳すると「日本の個人貯蓄口座」という意味になります。「貯蓄口座」というと銀行預金のようなイメージですが、NISAで投資できるのは、株式や投資信託など。NISA口座で購入されている投資信託は、日本や米国、世界の株式に投資する投資信託が大半です。 NISAを始めたばかりの初心者の方に、「NISAで株式投資されているんですね?」と聞くと、「いえ、私、株式投資はしていません。NISAに投資しています」と答えられる方もいるようです。 「NISA、NISA……」と名称ばかり連呼されると、NISAと株式投資は“別物”と勘違いされる方がいるのも無理はないでしょう。 ただ、投資の仕方は多少異なるものの、NISAも株式投資も、自らの資産を主に株式で運用している点に違いはありません。つまり、元本保証のある銀行預金とは違って元本保証はなく、もしかすると損をして元本が目減りするリスクもあります。 しかし、2023年8月現在、メガバンクの普通預金金利は年率0.001%。よくいわれる話ですが、100万円を普通預金口座に貯金しても、1年間でたった10円しか利息がつきません(実際はそこから2円の税金が引かれて残るのは8円)。 2023年6月の全国消費者物価指数(総合)は前年同月比で3.3%も上昇しているので、実質的に銀行預金の価値が目減りしてしまう状況が続いています。 「物価高に負けないためにも、大切なお金を少しでも増やして老後に備えたい」という切実な思いの受け皿になるのが、リスクはあるものの、大きなリターンも期待できるNISAというわけです。 「株式投資は損するので怖い」という人も多いですが、従来の株式投資と比べて、NISAでの投資は長期的に利益が得やすいように制度設計されています。