住居侵入疑いで逮捕の「Z李」、SNS使い過激な言動で注目 トクリュウに連なる人脈も
トラブルになった相手の自宅に侵入したとして、警視庁暴力団対策課は住居侵入の疑いで、東京都文京区の会社役員、田記(たき)正規容疑者(43)や横浜市金沢区の総合格闘家、宿輪(しくわ)幸治容疑者(33)ら20~40代の男5人を逮捕した。 【時系列でみる】X上の「Z李」アカウントでの主な投稿 逮捕された田記正規容疑者らはXで「アウトロー系インフルエンサー」として知られる「Z李」名のアカウントを複数人で運用していた。暴露や犯罪行為の実況など、過激な投稿で注目を集める一方で、ネコの保護事業や路上生活者への炊き出しといった慈善活動をアピール。正体や背後関係には不明な点が多いが、周辺には匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)に連なる人脈が見え隠れする。 ■バイク盗まれ…300万円の懸賞金 「盗んだ犯人へ。お前んちわかったから今から行くから」。令和4年秋、Z李はXにこう書き込んだ。同年夏、自身のバイクが盗難に遭ったとする報告をしたことを発端とした投稿で、一連の行動が逮捕につながる。 Z李は犯人に300万円の懸賞金をかけると宣言。「あと1時間で着く」などと写真や動画とともに状況を逐一書き込み、屈強な男ら約20人がマンションを取り囲む様子も配信していた。 マンションには当時、トラブルがあった男性は不在。チャイムを鳴らし、小学生の女児にカギを開けさせると、無断で室内に押し入った。約1時間にわたって居座り、女児は泣いていたという。 ■ギャンブル予想サイトの運営に参加 Z李はほかにも、犯罪への関与が疑われる人物に言及したり、ギャンブルの予想をしたりするなどの発信を繰り返した。今年5月には東京・歌舞伎町のホストらが、飲食店でジョッキに放尿する動画を公開。都内のバーラウンジで、女性客が大量に酒を飲まされ、個室に連れこまれるという告発を公開したこともあった。ギャンブル予想サイト「新宿租界」の運営に参加し、会費を集めるなど、活動は活発で多岐にわたる。 Z李の正体や背後関係には、捜査当局も長年関心を寄せてきた。田記容疑者が過去に役員を務めたNPO法人や企業で、ともに役員だった男が特殊詐欺に関与した疑いで摘発されるなど、犯罪行為との関わりが疑われてきたためだ。警視庁暴力団対策課は、逮捕した5人もトクリュウの疑いがあるとみて調べている。