似ているのはイベント名だけではない!? バイクイベント「SSTR」とコーヒーイベント「SCAJ」今後の課題とは? バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.9
年に一度の展示会、コーヒーイベント「SCAJ」
そしてコーヒーのイベントSCAJ。これは日本スペシャルティコーヒー協会という団体の英表記の略称で、同時にそこが主催する年に一度の展示会の呼び名でもあります。
アジア最大のスペシャリティコーヒーイベントで、世界中の業界関係者や商品が一堂に会し、昨年の来場者は約7万人のビッグイベントです。 会場では世界各国のコーヒー豆生産者、輸入業者、焙煎機やエスプレッソマシンなどの業務用機器、各種コーヒー器具メーカー、また国内のコーヒーロースターが出店するエリアも設けられ、売り込みや商談、情報収集などが繰り広げられます。
このようなマニアックな内容にも関わらず、来場者数は年々増加し、今年は特に「一般」来場者=ビギナーの方が増えた印象でした。 それはSSTRに関しても同じようなことが言える気がしました。2013年の開催当初は130台の参加で始まったこのイベントも年々参加者が増え、昨年は1万台の大台を突破、大会規模は年を追うごとに大きくなっています。
ビギナーの方が増えるというのは、とても重要なことですよね。なぜならそれは業界全体の裾野が拡がることを意味しているからです。 ただ両方のイベントに参加してみて感じたのは、大会規模が大きくなるにつれて、ビギナーからベテランまで満足のいく形で運営するのはなかなか大変だよな、ということ。 イベントの形が異なるので単純な比較は出来ませんが、SSTRは大会規模の拡がりに対し、運営スタイルを上手に変化させている巧さを感じました。僕のようなビギナーからベテランライダーまで受け止める懐の深さがある印象です。
一方でコーヒーのイベントSCAJの方は、業界関係者=いわゆるプロと、最近大きく増えてきた一般枠の来場者=いわゆるアマチュアの双方を受け止めるには、なかなか難しい状況になってきた印象がありました。 どちらのイベントも、多くのニーズに対して満足させるような形を模索していくのが、今後の課題の一つかもしれないですね。バイクもコーヒーも多くの人々を魅了する世界です。両方に関わっている僕には、それぞれが良い形で発展していくことを願って止みません。
黒田悟志