【紅白】今年も「けん玉ギネス記録」に挑む「三山ひろし」の苦労 「検定には7年連続落ち」&「妻と子どもは興味なし」
■けん玉企画はNHKからの発案だった そんな三山が「紅白」に初出場したのは15年のこと。その時は、けん玉企画はなく、ステージで歌を披露しただけだった。けん玉企画が登場したのは、2回目の出場(16年)からだった。 「僕が自分のステージでけん玉をやっているということを、NHKのかたがどこかで聞いたらしいんですね。それじゃあ、『四万十川』の時に、けん玉をやってくれませんかっていう話がきた。ただ、その時はギネスには挑戦しませんでした。私が『四万十川』を歌い、背後でバックダンサーたちがけん玉をやっていて、最後に、私が特大のけん玉をびよーんと投げて皿にキャッチ。『三山スパイク』という大技を披露したのが始まりです。その翌年(17年)に、なぜかNHKの方から『ギネス世界記録にチャレンジしてみましょう』という話をもらったんです。世間ではよく、『三山の持ち込み企画だろう』と言われるのですが、NHKサイドからの発案なんですよ」 今回で8回目となるけん玉のギネス世界記録挑戦。これまでの戦績は17年×、18年〇、19年×、20年〇、21年〇、22年〇、23年×と4勝3敗。全員の成功率は約57%と決して高くはない。17年、19年、23年と3人が失敗しているのは、全員が男性だった。 三山によれば「17年と19年に失敗した2人はその後も『紅白』に出演し、けん玉を見事成功させ、リベンジしているんです」という。「紅白」のステージに上がっている100人を超える参加者たちの中には芸能人もいる。基本的にけん玉が得意な人たちが集まっているが、プロもいれば、キャリアの浅い人もおり、実力には個人差がある。 「だから意外と初歩的なミスをやってしまうのが、怖いところですね。参加者の中には我流でやってきている人もいて、プレーを見ていて危なっかしいなあと感じる人もいます。けん玉の基本の部分が抜けちゃっている人もいたり……。そういう人を見ているとハラハラしますね」 そう言うと、三山は筆者の前で、「紅白」で行う大皿の技を披露してくれた。 「玉をキャッチする時、なるべく音をさせないように受け止めるのが基本なんです。手だけでやりがちですが、全身を使ってやらなければいけない。腰を使い、膝をクッションのように上げ下げしながら、玉を受けとめるという感覚を持ってほしいと思います。普通ならあくびするくらい簡単な技です。ところが、それを落っことしてしまうんですね。本番ではまぶしいほどの照明が当たり、音楽も鳴っている。たくさんの聴衆や芸能人から注目を浴びている中で、独特の緊張感があります。一瞬、手が震えて、会場の雰囲気に飲まれてしまうこともありますから」