結婚相手の条件って?パートナー探しに困っています
劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 vol.62
平成元年生まれのオタク4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つ読者の日頃の悩みをズバっと解決。応募フォームに集まったお悩みに、メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで回答します。
【質問】今月の悪友:のむさん
昨今、世間ではパートナーとさまざまな形で生涯を共にする方がいます。私は付き合う相手を結婚できるかどうかの基準で選んできたのですが、それが難しいことに最近気づきました。皆さんはどのようにパートナーを探してるのかお聞きしたいです。
【劇団雌猫からのアドバイス】今月の回答者:ひらりささん・もぐもぐさん
ひらりさ:今回はひらりさ・もぐもぐペアでお送りします~! もぐもぐ:今おしゃべりしているのが8月末なのですが、台風で東海道新幹線が全然動かず、ライブや観劇で遠征する人が続々と金沢経由で移動していてすごい。猛暑は終わっても台風シーズンは続くので、みなさんお気をつけて...。 ひらりさ:台風やばいよね!今日も、雨がすごい。せっかくコロナは落ち着いてきたのに~! もぐもぐ:きっと、あっという間に年末がやってくるよ~。ということで、今月は「パートナーに求めるものって何?」というお悩みです。 ひらりさ:もぐもぐさんがチョイスしてくれたんだよね。なんでこのお悩みに答えたいと思ったの? もぐもぐ:なんというか、いざ言葉にされると新鮮な悩みだな!と思って。 ひらりさ:へー!どのあたりが? もぐもぐ:多分ね、私の場合、人生にパートナーがいて欲しいっていう欲求自体があんまりなかったんだよね。まず自分の生活を楽しむぞ!っていうのがありすぎて、他人の優先順位が低かったというか……。何か基準を持って付き合う相手を選んできてないな~って気づいた。 ひらりさ:なるほど!そもそも指針があったことがないのか。じゃあ、そもそも自分から選びに行っていたわけではなくて、向こうからきた人と付き合ってきたって感じ? もぐもぐ:うーん、普通に好きになって付き合った人もいるけど、それが「人生のパートナーを選ぶぞ!」って重みがあったかというと、別に、かも。なんとなく(笑)。ひらりささんは、どう? ひらりさ:のむさんは「結婚できるかどうかの基準で選んできたけど、それが難しい」って書いてるけど、その意味には色々解釈があるような気がするのね。 もぐもぐ:うんうん。 ひらりさ:例えば「結婚できると思う人と付き合っても結局あんまり上手くいかなくて別れちゃう」なのか「結婚できると思う人と付き合っても見立てがいつも外れてしまう」なのか。 もぐもぐ:「結婚できるかっていう基準で考えると候補すら見つからない」って可能性もあるね。 ひらりさ:年齢や環境などは憶測でしかないのだけど、もしかしたら身近での自然な出会いを探すというよりは、マッチングアプリや婚活世代なのかなという気がしていて。そうなると、のむさんの言う通り「基準」を決めないと迷子になってしまう世の中ではあるのかも、と思った。まぁ、その基準の決め方が難しいのだけど...。 もぐもぐ:たしかに~!マッチングアプリの大海から探すとなると、条件をまず考えなきゃってなるか。言葉選びの問題と言われたらそうなんだけど、「人生のパートナーを探すぞ!」ってなるとそりゃ気負うところはあるよね。でもそれこそ、ひらりささんは今の彼氏とアプリで知り合ったって言ってたよね?付き合う時に基準みたいなものってあった? ひらりさ:今すぐ付き合える、ということかな。 もぐもぐ:どういうこと!? 楽天市場の「あす楽」タグ?(笑) ひらりさ:いや、これまで、付き合っている人がいる人間を割と好きになってきたから、付き合える人と付き合おうと思えたのが、シンプルによかったの。もちろん「付き合える」人自体は無限にいるので、まぁ普通に顔とかバイブスとかもあるけどね。 もぐもぐ:あ、そういうことか。現在フリーかどうかがクリアなのはわかりやすいかもね。ただし嘘をついていない場合に限るけれども...。 ひらりさ:既婚者とかね、そこは気をつけよう。 もぐもぐ:ほんとに。……この話をし始めると夜が明けてしまう。 ひらりさ:思うに「結婚できる」人を言葉通り捉えたら、地方在住だとしてもそこそこいると思うんですよ。でも、一定の収入で、自分の生活を変えないで済む形で、見た目も好きで……って長期的なことを考えると色々細かい条件がついている気がしなくもない。 もぐもぐ:そうだねぇ。条件は合っていても「なんか違う」になる可能性もあるし。これは結果論なのですが、私は結婚して何年か経ったけど、逆に「まぁ、自分って別に結婚しないでもいいよな...」と思っていたから色々スムーズだった気もするんですよね。いい意味であんまり深く考えなかったからこそ、気負わなかった部分がね。失敗したら離婚するだけだし、もとに戻るだけで失うものもないよな~って思ってた。 ひらりさ:付き合ったうえで、細かい引っかかりがなかったら結果的に「結婚できる」人になったってところもあるのかな。 もぐもぐ:あると思う!短い文章だから推測でしかないけど、のむさんはわりと減点方式でお相手を決めている気もする。焦りや不安があるとそうなるのもめちゃくちゃわかるのだけど、もう少し、まずは「気の合う友達」を増やしていく意識でもいいのかなと思いました。「こいつと一生やっていけるか見極めよう...!」と思うと、余計細かいところが気になっちゃいそう! ひらりさ:なんかさ、どんなに企業が新卒採用で学歴とか成績とか受け答えでふるいをかけても、実際にワークする社員って違ったりするじゃない? もぐもぐ:紙の上では満点でも、ね。 ひらりさ:そうそう。実は結婚を目的にする場合も、まずは間口を広げて相性の合う人を見つけた方が結婚に近づく可能性はありそうだよね。それとは別に、よく考えてやっぱり今すぐ結婚したいってことであれば結婚相談所とかも選択肢に入るかもしれないし。 もぐもぐ:たしかに! ひらりさ:そういえば最近、知り合いが恋愛なしのお見合い結婚してたよ。 もぐもぐ:へ~!お見合いってどうやってやるの? ひらりさ:親の知り合いのお見合いおばさんに、釣書を預けたらしいよ。 もぐもぐ:トラディショナルスタイル!!結婚相談所だとまず恋愛させられるもんね。 ひらりさ:そうそう。恋愛を経由しないといけないのがしんどくて、恋愛ではなくてパートナーシップが上手くいきそうな人と出会いたかったんだって。 もぐもぐ:おもしろ~。でもそうかもね、家族を構築するって結構ビジネスに近い。家事の分担とか休みの日をどう過ごすかとか、住環境で何を重視するかとか、お互いの得意不得意や好き嫌いのすり合わせって感じがする。 ひらりさ:プロジェクトみたいなものだよね。結婚のために恋愛相手を探すとおかしくなるのかもしれないから、やっぱり自分が何をしたいか、をまずはよく考えてみてほしいな~。 もぐもぐ:ひらりささんは、現在の彼氏はパートナーっていうのとはまた違う? ひらりさ:パートナーではない!家計も生活もともにしてないから。 もぐもぐ:たしかに、それはでかい。 ひらりさ:ステーキにおける……パセリの部分かな。 もぐもぐ:本体じゃないんかい! ひらりさ:ないと物足りないやつ。が、ないからといって絶望するようなものではない、というか。 もぐもぐ:なるほど。パセリ?っておもったけど、いい例えなのかもしれない(笑) ひらりさ:でしょ?(笑) もぐもぐ:これから自分が考えたように使わせていただきます。結婚相談所の話に戻すと、マッチングアプリとの違いって第三者がいることじゃない?って、『ザ・ノンフィクション』のバズってた結婚相談所回を見てて思っただけなんだけど。 ひらりさ:うんうん。 もぐもぐ:自分の中では「なし!なんか違う!」ってなっても、周りからすると、そうかな~?ってこともあるわけで、1人で考えすぎないで「冷静枠」として友達を巻き込んでプロジェクト化するのもありなのかもしれないねと思った。不安が前に来るとどうしても冷静になりきれない気がする。まぁ、逆に本人たちは幸せそうでも、周りからしたら「そいつはやめとけ!」っていうパターンもあるから、なんとも言えないが...。 ひらりさ:難しいなぁ。私は、相談者さんは情報収集しすぎて混乱している気がする。だから、自分の考えを掘り下げるのに時間を使ってもいいかなと思った! もぐもぐ:うんうん。譲れないものと、許せるところをもっと細かく分解してみてもいいかもね。 ひらりさ:パセリ理論もそうだけど、パートナーがいないからって相談者さんの人生に何か欠けているわけではないので、あんまり思い詰めすぎずに、でもしっくり来る人に出会えるといいな~! ●劇団雌猫 平成元年生まれのオタク女4人組(もぐもぐ、ひらりさ、かん、ユッケ)。2016年12月にさまざまなジャンルのオタクがお財布事情を告白する同人誌『悪友vol.1 浪費』を刊行し、ネットを中心に話題となった。2017年8月には『浪費図鑑』(小学館)として書籍化。現在はイベントや連載などに活動を広げながら、それぞれの趣味に熱く浪費している。“女たちの装う理由”を集めた劇団雌猫原案のコミック『だから私はメイクする』(フィールコミックス)が発売中。
GINZA