西武HD都内ビル売却でブラックストーン有力、4000億円-関係者
(ブルームバーグ): 西武ホールディングスが計画する複合商業ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」(千代田区)の売却を巡り、買い手に米投資会社のブラックストーンが浮上していることが20日までに分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
譲渡価格は4000億円前後になる見通しだが、最終的な価格は流動的だと関係者は述べた。売却後も西武HDが同施設の運営・管理を担う契約について交渉中だという。この価格での売却が決まれば、国内では過去最高水準の不動産取引価格となる。
同関係者らによると、両社は年内の合意を目指している。ただ、協議は現在も継続中であるため最終的には契約に至らない可能性もあるという。別の関係者によると、数カ月に及んだ売却先選定の最終段階にはブラックストーンのほか、米KKRやカナダの不動産投資ファンド、ベントール・グリーンオーク(BGO)が残っていたという。
円安や低金利の継続などを背景に、海外投資家による首都圏のマンションやホテルなどの取引は活発な状況が続いている。ブラックストーンへの売却が決まれば、外資系ファンドが東京で所有する主要ランドマーク施設の一つとなる。
西武HDの広報担当は、中期経営計画に基づき年内の契約締結を目指して協議を進めているものの現時点で決定した事実はないと電子メールでコメントした。ブラックストーンやKKRの広報担当はコメントを控えた。BGOからは回答を得られなかった。
報道を受けて西武HDの株価は20日午後の取引で一時前日比5.1%高の3683円まで上昇した。
西武HDは5月、東京ガーデンテラス紀尾井町の売却を発表していた。36階建てのビルを含む同施設は2016年に完成。ホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」やLINEヤフーが本社を構えるオフィスフロアのほか、住居棟や小売店舗などが入っている。
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Lisa Du