香取慎吾、“これまで”が築き上げた2024年 広がり続けるNAKAMAの輪「いつも過去の自分に感謝してる」
託された思いを胸に、さらなる笑顔を生み出す
1月4日からは舞台『テラヤマ・キャバレー』の稽古が始まった。『テラヤマ・キャバレー』は、鬼才・寺山修司の没後40年を機に、寺山が死の間際に過去と未来を行き来する脳内キャバレーを舞台にした物語。47歳でこの世を去った寺山を、今年47歳の香取が演じるという強い縁を感じる作品となった。 縁深いのはそれだけではない。劇中では寺山が作詞した「質問」を香取が歌うのだが、この曲は3年ほど前から音楽プロデューサーの朝妻一郎、そしてテレビプロデューサーの黒木彰一を通じて、香取のもとに寄せられていたものだったそう。「いつか歌えたら」と温められていたものが巡り巡って寺山を演じる舞台の話が繋がり、そして「質問」を配信リリースすることになった。そんなふうに、2024年は「香取慎吾なら」と多くの思いを託されているのを知った一年でもあった。 萩本欽一と長年タッグを組んできた『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ系)もそうだ。萩本は3年前に「今回でね、私この番組終わり。長いあいだ、ありがとう」と勇退を宣言。香取ひとりに、その後を継いでもらうつもりだったようだ。だが、そこまで話していたことを撤回して今年も出演を決めたのは香取の「僕、大将やらないなら、やんないからね」という言葉だった。 託された思いは大切に受け取りながらも、そこからまた香取なりのエンタメに昇華したい。そんな根っからのテレビスターとしての矜持があるのだろう。香取が見せてくれたのは、引退したがっている萩本を引っ張り出してくるという、これまでにない笑いだった。隙あらば、フェードアウトしようとしている萩本を、カメラに映そうとくっついていく香取。 「今どいてるのに、寄ってくるな!」と香取を叱り飛ばせるのも、退こうとしている萩本を「次回もあるからね」と迫っていくことができるのも、きっと世界広しと言えどもきっと他にはいないだろう。そんな彼らならではのやりとりがとても愛しかった。今年も12月29日に『欽ちゃん&香取慎吾の第100回全日本仮装大賞』の開催が決定した。その様子が年が明けた1月13日にオンエアされるというのも嬉しい限りだ。