石破内閣が発足、外交・経済は岸田路線を継承-経済対策の検討を指示
赤沢経済再生相は「新しい資本主義の考え方は変わらない」と強調。企業に対し、「必要な投資をやってもらう。賃上げのために必要な原資を稼いだ上で人への投資にお金を回してもらう。リスキリングなどを含めて、もう少し考えてもらいたいところがある」と述べた。
岩屋外相は、石破首相から外交は継続性と一貫性が大事なので、積み上げてきた成果の上にさらに充実させたいとの方針が示されたことを明らかにした。加藤、赤沢、岩屋の3氏は皇居での認証式を前に官邸で記者団に語った。
一方、女性閣僚は岸田内閣退陣時の5人から阿部俊子文部科学相、三原じゅん子・こども政策担当相の2人となった。自民党人事でも党四役から女性が外れた。
閣僚ポストへの女性登用が進まない日本、石破新内閣ではわずか2人に
最低賃金目標前倒し
石破首相は就任会見で、「デフレ脱却最優先の経済財政運営を行う」とした上で、物価高で苦しんでいる国民を支援するため、経済対策の検討を早期に指示する考えも明らかにした。具体策の一つとして、「低所得者世帯向けの給付金」などの緊急対策の実施を挙げた。
また、岸田内閣が2030年代半ばまでに実現するとしていた最低賃金の全国平均で時給1500円への引き上げを「2020年代に目指す」とし、目標を前倒しした。
毎日新聞が9月28、29両日に行った世論調査で、石破氏に「期待する」と回答した人は52%で、「期待しない」の30%を上回った。
石破首相は会見で、衆院を9日に解散し、衆院選を15日公示・27日投開票の日程で実施する方針も明らかにした。政権発足直後は内閣支持率が高い傾向にあり、一気に勝負に挑む形となる。4日には衆院本会議で所信表明演説を行う予定だ。
経済界から期待の声も
石破内閣の発足に関し、経済界も相次いでコメントを発表した。
日本商工会議所の小林健会頭(三菱商事相談役)は、新内閣には持続的な「成長型経済」の実現に向け、経済の構造改革を強く期待するとした。日本貿易会の安永竜夫会長(三井物産会長)は、「自由で開かれた貿易投資体制があって初めて国の生業(なりわい)が保てる」として、インドをはじめとしたグローバルサウス諸国など各国との緊密な関係構築を求めた。