安室奈美恵、浜崎あゆみ、B’z…朝ドラ『おむすび』が描く「人生と共にある音楽」──選曲はスタッフどうしのカラオケで
連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)の第6週「うち、ギャル、やめるけん」が放送され、本日放送の第30回では週タイトルとは裏腹に結(橋本環奈)が「うち、ギャルやりたい」と、父・聖人(北村有起哉)と母・愛子(麻生久美子)の前で宣言した。 【動画】浜崎あゆみ『Boys & Girls』ミュージックビデオ 固く閉ざしていた結の心の蓋を開けたのは、姉の歩だった。歩は、米田家とハギャレンメンバーを「スナックひみこ」に全員集合させ、自らがカラオケビデオに出演した浜崎あゆみの『Boys & Girls』をかけ、「ニセモノの自分」を自嘲する。それを見ていた結はマイクを奪い、「輝きだした僕達を誰が 止めることなど出来るだろう」と冒頭の歌詞を歌って、歩に向かって言う。 「お姉ちゃん、知っとう? この曲、ギャルにとって救いの歌なんよ。みんながこの曲を歌って元気になっとう。それって超カッコいいやん。お姉ちゃんは、ニセモノなんかやない」。 『おむすび』はいつも、平成を彩る音楽がキーアイテムになっている。歩の親友・真紀(大島美優)が歩(中学生時代:高松咲希)に贈ったブレイク前夜の安室奈美恵の『PARADISE TRAIN』は、2人の友情の証。 神戸で震災に遭い、糸島に来た後も引きこもっていた歩の心を慰めたのは、震災の8日後に発売された安室奈美恵の『TRY ME ~私を信じて~』だった。この「音楽とともにある」作劇の意図について、制作統括の宇佐川隆史さんに聞いた。 ■「『Boys & Girls』に救われた」と口々に語ったギャルたち 宇佐川さんは、ハギャレンメンバーがこよなく愛し、結と歩の心を解放するきっかけとなった『Boys & Girls』の選曲理由について、「ギャルのみなさんに取材するなかで、『Boys & Girlsの歌詞が寄り添ってくれる思いがして、救われた』という言葉をたくさん聞いたんです」と話し、こう続ける。 「ドラマ内の『選曲会議』は、会議室でCDを聴くというよりも、脚本家の根本ノンジさんも含めスタッフ皆でカラオケで歌ってみて選んだところが大きいです。『Boys & Girls』などの有名なヒットナンバーは誰もが知る名曲ですが、歌ってみることで実感とともに歌詞が響いたというか。『ああ、この曲に励まされ、元気になったのがわかるな』という感覚を、理屈でなく改めて肌で味わったからこそ、根本さんはこの曲を大事なシーンで活かしてくださったのだと思います」。 また宇佐川さんは、平成のJーPOPについて「聴くだけでなく『歌う』ことがとても重要で、歌を生活に取り入れていた時代だと思うんです。だからより一層、曲に励まされ、背中を押されて、『今日も明日も頑張っていこう』と思えたのではないかと。いまだに歌詞を覚えている方がたくさんいる『Boys & Girls』の『輝きだした僕達を~』という一連のフレーズを、とても大切にしました」と、思いを語る。 安室奈美恵と浜崎あゆみという2人のアーティストの曲をフィーチャーした理由については、「歩と結、姉妹の人生を描くにあたって、このお2人の曲はマストだったと思います」と宇佐川さん。 「浜崎さんは安室さんより少し後の世代ですが、歩と真紀が安室さんの曲から元気と未来への希望をもらい、ハギャレンのメンバーたちは浜崎さんの曲を心の拠り所にしていた。『歌が人生を支える』という、その精神性はどちらも似ていると感じますし、お二人の楽曲の持つ熱量はきっと、時代を超えた今でも刺さるはず。お二人の歌を、それぞれに、ぜひ届けたいと思いました」と語った。