電化で利便性アップ ── 今月電化開業したJR武豊線。CO2排気量削減効果も
電気を動力として走行する電車は、パンタグラフと呼ばれる屋根の上にある集電装置で架線から電気を取り込み走行。一方、ディーゼルエンジンなどの内燃機関を動力として走行する鉄道車両は、気動車と呼ばれる。つまり先日、電化開業したことで話題のJR武豊線はレール上を気動車が走行していたため、2015年2月まで非電化路線だったということになる。そもそも「電化」とはどういうことなのか?
電化開業でCO2排気量ダウン
1日に華々しい記念出発式と共に電化開業をしたJR武豊線。電化によるメリットをJR東海広報部の担当者に聞いた。「東海道本線と同じ車両が武豊線で運行できることで車両の効率的な運用が可能となり、利便性の高いダイヤ設定や列車遅延時の車両手配の対応能力が向上しました。また、気動車から電車への移行により、CO2の排出量が従来比57%減となり、さらなる環境負荷の低減につながっています」。 車両本体としても気動車から電車に変わり、床下に搭載しているエンジンがモーターに切り替わることで、エンジン音や振動がなくなり車内騒音が低減。より快適な乗り心地が期待できるようになった。 電化の工事は2010年3月に開始。気動車が取替時期を迎え、気動車から電車にすることで車両新製費用とランニングコストが低減できることが、電化のきっかけだった。 工事開始から5年の月日が流れ、今月1日に電化開業。14日にはダイヤ改正も実施された。平日夕方の通勤時間帯に名古屋駅から直通の区間快速を1本増やし、直通時間帯を拡大。大府駅では名古屋方面からの新快速と接続する武豊行きの普通列車を午後6時~同7時台に計3本増発している。 これにより午後5時台後半から同7時台の名古屋駅から半田・武豊方面への乗車機会が、大府駅での乗り換え列車も含め15~20分間隔となった。帰宅ラッシュの時間帯の乗車機会向上は、利用者にとって非常にわかりやすいメリットとなっただろう。