定年後は結局「再雇用」のほうがいい?「再就職」とのメリット・デメリットを比較
定年後、人によっては「再就職」と「再雇用」の選択で迷うかもしれません。就労を続ける意思があっても、新たな場所に移るのか、従来の職場にするのか、悩むところでしょう。実際には、その判断は個々の状況や希望によって変わってきます。 本記事では、再雇用制度について説明し、再就職と再雇用の違いやそれぞれのメリットとデメリットを考えてみます。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
再雇用制度とその意義
再雇用制度は、高齢者の安定した雇用を確保するために、定年を65歳未満に設定している事業主が採用している措置の1つです。企業は65歳までの安定した雇用の確保が義務付けられており、そのために「65歳までの定年の引き上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」という3つの選択肢があります。この措置の根拠となる法令は高年齢者雇用安定法第9条です。 特に「継続雇用制度」は、定年を迎えた従業員が希望すれば、定年後も引き続き雇用される「再雇用制度」を含んでいます。この制度は、過去には労使協定で定めた基準によって対象者を限定していましたが、高年齢者雇用安定法の改正により、平成25年度以降は希望する全ての従業員を対象とすることになりました。 継続雇用先は自社に限らず、グループ会社を含むことも認められています。これにより、従業員は勤務環境の変更や新しい職場でのチャレンジを希望する場合、より広い選択肢を持つことが可能です。企業側にとっても、経験豊富な高年齢者を活用することで、事業の継続性と知識の継承が促進されるメリットがあります。 再雇用制度は、高年齢者の労働市場への参加を促進し、彼らのキャリアの延長を支援する重要な仕組みです。この制度により、高齢者は自身の経験とスキルを活かしながら、安定した収入源を維持することができ、社会全体の労働力の活用と経済の活性化にも寄与する存在となることができるのです。また、企業にとっても、経験豊かな人材の確保や、多様な労働力を通じて組織の柔軟性と競争力を高められます。 このように、再雇用制度は、高年齢者個人、企業、そして社会全体にとって、多くの利点をもたらす制度といえます。