【一問一答】巨人・梶谷、引退会見「高卒で入って、がりがりの状態。18年やって終えるとは想像できなかった」「巨人に来たのも、同学年の坂本勇人とやりたいと」
巨人の梶谷隆幸外野手(36)が23日、東京都内のホテルで会見し、現役引退を表明した。会見での主な一問一答は以下の通り。 ―引退を決断した経緯 もう、とにかく体がついていかないという所のみで決断しました。膝の状態が思わしくなく、なかなかうまくいかないっていうのが続いていましたので。これ以上は、という気持ちはありました。 ―決断はいつ 少し前にはもう決心は固めていまして、決めてからは寂しい気持ちはずっとありましたけど、引き際かなと思いましたので。ちょっと早めに決断はしていました。 ―周囲の反応 阿部監督に伝えさせていただいたときは「限界か、カジ」ということを言われまして、心中察していらっしゃるんだなと。愛情を感じましたね。まだあいさつできていない選手もいるんですけど、寂しいですと言ってくれる後輩もいました。ともに戦ってきた仲間と野球ができなくなるというのは、悔いはないんですけど、寂しいという気持ちはあります。 ―巨人での4年間を振り返って なかなか自分が思い描いたようにはいかなかったんですけど、本当に移籍してよかったと心から思います。素晴らしい仲間に出会えて、本当に一生の財産を得たと思っています。 ―古巣のDeNAへの思い 高卒で入って、がりがりの状態の僕だったんですけど。正直プロに入ったときは、18年やって野球を終えるということは想像できなかった。たくさんの監督、コーチ、チームメートに支えられて良い刺激を受けて、きょうを迎えることができましたので、本当にベイスターズの方々には感謝しています。 ―度重なるけがに苦しんだ まあでも、好きな野球で悩めているというのが幸せだなと思いますし、自分らしく必死に頑張ってきたので。本当にやりきった思いでいるので、幸せだなと思います。 ―後悔は ほとんどないなと思います。やり切りました。 ―キャリアで一番印象に残るシーン たくさんありますけど、やはりCS(クライマックスシリーズ)、日本シリーズ。横浜時代に出て、震える場面で、高校野球の地区予選のようなあの感情というのはなかなか味わえるものではないので。この前のCSファイナルも見ていて、本当にうらやましいなという気持ちがすごい強かった。やはり短期決戦の日本シリーズだったりCSというのが、一番自分の中では思い出深い。 ―感謝を伝えたい人 もちろん両親と兄、妻には感謝の気持ちを伝えました。やはり父には、真剣に僕がプロ野球選手になりたいと言ったときに全力でサポートしてもらったので、大変感謝しています。母はいつも心配性だったんですけど、いつも優しくしてくれて、ハッパをかけてくれて本当に感謝しています。常に横にいた妻には、ことしの夏ごろですかね。今年でちょっと辞めようかなと思う、と伝えたときには「自分が決めたことに従ったらいいんじゃない」と。美しくて強い妻なので、すごくいつも背中を押されました。野球の話を家に帰ったらたくさんしたなと思いながら、本当に感謝していますね。 ―表情が晴れやか 18年、本当に幸せだったなというのが強くて。なかなかこれだけ長くやれる方も少ない中で、厳しい世界でこうやって自分なりにやり切って、18年間できたということを誇りに思っていますし。本当に満足というか、やり切ったという気持ちですね。 ―ファンへのメッセージ ファンの方々にいつも応援していただいて、どんなときでも本当に変わらない声援をいただいた。応援を聞いていると「きょうも絶対頑張ろう」という気持ちになれましたし、負けたとしても「明日だな」って。そういうファンの熱い声援は、僕たちに確実に届いていますし、18年も応援してくださった方々に本当に感謝しています。ありがとうございます。 ―巨人で一番印象に残っている試合 もともとジャイアンツに来た理由というのも、同学年の坂本勇人と一緒に野球やりたいという思いも理由の一つでしたので。特別これというよりは、彼と一緒にプレーできたことが本当に楽しくてうれしかったですね。 ―坂本との交流を振り返って もともと会話とかはしていましたけど、プレーに関してはもう説明の必要がないと思う。僕はどちらかというと、普段彼がどういう準備をして、どういう振る舞いをしてどういう立ち姿でとか、そういうことも気になって入団したというのもあるので。どういうことをすればこれだけの成績を残せるのか、同学年ながらうらやましかったですし、そういうのを勉強したいというのもあった。(坂本は)普段気さくですし、横浜にいるときもチームメートになってからも、優しくていい男。 ―野球の魅力 野球にほれたという感覚。ただただやっていて楽しいですし、野球に魅了されてずっとやり続けて今日まで来ましたから。とにかく野球に出会えて幸せだったなと思います。 ―地元島根への思い まあ、やはり高校の監督になるのかなと思う。開星高校時代の野々村監督には3年間指導していただいて、野球と言うよりは人間の生き様というか、生き方を教わった気がするので大変感謝しています。島根は僕の大好きな所。 ―今後は 先ほど球団からありがたいお話をいただいたんですけども、一度ちょっと野球を離れたいなという思いがありまして、その旨を伝えさせていただいたところ。これから自分がどういう思いで、何がしたいかとか、どういうものに向かって行きたいかを真剣に考えて、次の人生に向かって行きたいと思うので。まずは本当にしっかり考えたいなと思っています。 ―DeNAでチームメートだった筒香への思い 彼と一緒にずっと試合に出て、とにかく素晴らしい選手だなと思いながら間近で見させてもらっていました。アメリカに行ってたぶん相当な努力をして、相当いろんなことがあったんでしょうけど、自分の思いを貫いて、やり切るまで帰らないという決断をしていたと思う。とにかく人間としてもプレーヤーとしても、本当にリスペクトしています。彼が日本に帰ってきて、一緒にもう一回野球をやりたかったなという思いはあるんですけど、あと(日本シリーズで)4つ勝って日本一になってほしいなと思います。
中日スポーツ