新女王誕生はあるか!? フォレリングやロンゴボルギーニら登坂力に長ける選手が有利のコース 2連覇狙うコペッキーも好調キープ【Cycle*2024 UCI世界選手権大会 女子エリートロードレース:プレビュー】
リベンジといえば、デミ・フォレリング(オランダ)も同様だ。ツール・ド・フランス ファムでクラッシュをきっかけにタイムを失い、最終的に総合タイム差4秒でマイヨ・ジョーヌを逃す大きな悔しさを味わった。彼女も「世界選手権はリベンジの場」と公言しており、この一戦にフォーカスしている。先だって行われた個人タイムトライアルでは大満足の銀メダル。調子の良さを実感しており、ロードレースではマイヨ・アルカンシエルしか見ていない。 群を抜いて戦力が充実しているオランダは、戦術的にフォレリング一択にならないあたりも強み。“クイーン・オブ・クイーン”のマリアンヌ・フォスは勝てば4回目の女王の座。終盤にかけて展開がもつれるようなら、経験と勝負強さが発揮されることだろう。ツールで印象的な走りを見せたプック・ピーテルセやパウリーナ・ローイヤッカースらも控えている。
コペッキーとフォレリングに対抗できる一番手は、エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)で間違いない。今季はジロ・デ・イタリア ウィメンで悲願の個人総合初優勝。オリンピックこそ振るわず、ツールも負傷の影響で回避したが、その後は復調傾向。25日に行われたミックスドリレーでは銅メダル獲得に貢献しており、状態は上向きだ。イタリアも戦力が整っており、ガイア・レアリーニもエースクラスの走りが期待できる。
劇的なツール制覇が記憶に新しい、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)は1カ月以上戦線を離れたが、その甲斐あって好調との情報。優勝争いに名乗りを上げる可能性が高い。グランツール制覇でより自信に満ちた走りを見せることだろう。
五輪金メダルのクリステン・フォークナー(アメリカ)は、2冠に挑戦。パリで見せたクレバーな戦いぶりの再現はあるだろうか。得意の個人タイムトライアルで7位に終わったアンナ・ヘンダーソン(イギリス)は、立て直してロードでの上位進出を目指す。前回銅メダルのセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク)も調子を合わせてくるだろう。個人タイムトライアル、ミックスドリレーと、今大会すでに2つの金メダルを手にしているグレース・ブラウン(オーストラリア)は、これが世界大会最後のレースになる。
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