カープ新井監督が9月の歴史的急失速に決断…来季は「育てながら勝つ」から「痛みを伴っても育成重視」へ
カープの和製大砲候補
「セ・リーグの各球団には、近い年代で(岡本)和真だったり、牧(秀悟)、佐藤(輝明)、細川(成也)、村上(宗隆)だったりとホームランを一定数打てるバッターがいて、カープにはいない。そういう立ち位置、打線の軸となるホームランバッターになりたい」 危機感とともに決意を口にするのが、来季で4年目となる末包昇大だ。2023年に146打席で11本塁打を放ち、今年は左太もも裏を痛めて離脱するまで133打席で6本塁打。復帰した8月以降は負傷の影響もあり打撃を崩した。ポテンシャルはあっても、確固たる打撃の基礎を築けていない課題が露呈した。秋季練習から新井監督の直接指導を受けながら、軸足にしっかりと重心を残した下半身主導の打撃を徹底し、ブレない土台づくりに努める。 「シーズン途中はインコース攻めで、終盤は(インコースを)意識だけさせといてアウトコース勝負でやられた。80試合近く出させてもらいましたし、300打席以上もらったので、この経験をしっかりと来季につなげていきたい」 右打者が少ないチーム編成上、末包にかかる期待は高い。苦い経験も血肉としなければいけない。 来季だけでなく、次世代の大砲育成も並行して進めていかなければいけない。高卒2年目の内田湘大と1年目の仲田侑仁の2選手は、ともにシーズン最終戦で一軍デビューを果たし、そろって初安打を記録した。仲田は高卒新人としては球団初となる4番起用と、首脳陣の期待も高い。まだ完成度は高くなく、基盤づくりを済ませてオフを迎えたいところ。二軍からの突き上げが一軍選手を刺激する。 確固たる地力の確立が求められるのは、今春侍ジャパンに選出された田村俊介や21年に2桁本塁打を記録した林晃汰にも言える。自己最多70打席で打率.145に終わった8年目を迎える中村奨成もそうだ。さらに来春のキャンプには、ドラフト会議で即戦力候補として指名した佐々木泰と渡邉悠斗の2選手も加わる。指揮官に我慢してでも使い続けたいと思わせるためのアピール合戦の幕はすでに開いている。
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