新加入選手のステップアップでサンロッカーズ渋谷が秋田に前日のリベンジ、ホーム開幕節を痛み分けで終える
終盤に逆転を許すも、新加入選手のクラッチショットで突き放す
文=丸山素行 写真=B.LEAGUE サンロッカーズ渋谷vs秋田ノーザンハピネッツの第2戦は、第1戦を落としたSR渋谷がスタートダッシュに成功する。 ピック&ロールからしっかりとズレを作ると、オフェンス優位な状況から高確率で3ポイントシュートを沈めていく。守備でも高い強度を保ってペイントアタックを許さず、タフショットを打たせ続けた。開始3分半にはジョシュ・ホーキンソンがセカンドチャンスポイントを獲得し、14-2といきなりリードを2桁に乗せる。その後、熊谷航や田口成浩に一瞬の隙から3ポイントシュートを許し点差を縮められるシーンもあったが、第1クォーターだけで6本のターンオーバーを誘発したようにディフェンスは崩れず、24-15と先行した。 その後、互いにディフェンスチームらしい守り合いが続き点差が離れない時間帯が続いた。それでも、形は作れどフィニッシュが決まらないSR渋谷に対し、デザインプレーから確実に長距離砲をねじ込んだ秋田が反撃する。残り2分、オールコートプレスを仕掛けると田口がアンソニー・クレモンズからターンオーバーを誘発。これで得たポゼッションで田口が3ポイントシュートを沈めると、さらに田口は味方のスクリーンをうまく使い、再び長距離砲を射抜いた。これで点差を1桁に戻すと、今度は田口を囮にし、タナー・ライスナーがフリーの3ポイントシュートに成功。完全に流れをつかんだ秋田は赤穂雷太のトランジションスリーで締めくくり、32-36と一気に点差を詰めて前半を終えた。 後半開始早々、SR渋谷は田中が負傷交代するアクシデントに見舞われる。それでも、ここでベンドラメ礼生が攻め気を強め、ホーキンソンが攻守で奮闘し、主力の離脱を感じさせないプレーでリードを広げた。 10点ビハインドで最終クォーターを迎えた秋田だったが、再びディフェンスから流れを呼び戻す。前線からボールマンにプレッシャーをかけ続け、簡単にエントリーさせずに失点を防ぐと、ここまで10本連続でフィールドゴールを失敗していたガディアガモハマドアルバシールが初得点を挙げて反撃。さらにアルバシールがトランジションスリーを決めると、赤穂もディープスリーで続き、アルバシールが再びトランジションスリーをねじ込んで、開始約3分で58-57と逆転した。このまま一気に畳み込みたい秋田だったが、速攻を防ぐためにファウルを指示した田口がまさかのベンチテクニカルをコールされてしまった。 ここから一進一退の攻防が続いたが、最後に試合を決めたのはSR渋谷の新加入メンバーだった。秋田の激しいディフェンスをかいくぐり、素早いパス回しからオフェンス優位な状況を作り出して船生誠也が3ポイントシュートを射抜く。さらにケビン・ジョーンズがセカンドチャンスポイントを挙げた。3点差に迫られた残り1分25秒には、阿部諒の長距離砲が炸裂。こうして迫る秋田を跳ね返し、最終スコア78-71で勝利して前日のリベンジを果たした。 SR渋谷はホーキンソンがゲームハイの20得点に加え、14リバウンドのダブル・ダブルを達成し、ジョーンズが18得点、ベンドラメが14得点、クレモンズが10得点(8アシスト)と4人が2桁得点を挙げた。指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチは「フィジカルに40分間戦い抜けたからこそ、最終的に勝利できたと思っています。秋田さんの激しいプレッシャーの中でも、やるべきことを遂行することさえできれば、良いシュートが打てると理解できました」と総括した。 第2節を痛み分けで終えたSR渋谷は2勝2敗で中地区5位に位置している。
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