ロッテ25歳が驚異の進化…リーグ断トツの「8.15」 圧倒の奪空振り率&加わった武器
際立つソフトバンク打者陣の活躍…トップ6のうち3人を占めた
打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。パ・リーグ打者の5月wRAAランキングは以下の通りだった。 ○栗原陵矢(ソフトバンク):wRAA11.55、82打席、OPS1.116、打率.373、本塁打3 ○近藤健介(ソフトバンク):wRAA9.96、91打席、OPS1.011、打率.342、本塁打2 ○岡大海(ロッテ):wRAA9.28、93打席、OPS.977、打率.308、本塁打5 ○太田椋(オリックス):wRAA5.68、58打席、OPS.908、打率.375、本塁打0 ○アリエル・マルティネス(日本ハム):wRAA5.30、100打席、OPS.810、打率.264、本塁打2 ○山川穂高(ソフトバンク)wRAA5.19、92打席、OPS.844、打率.253、本塁打6 上記ランキングに掲載されていないチームのwRAA上位の選手は以下の通り。 ○小郷裕哉(楽天):wRAA4.20、106打席、OPS.759、打率.283、本塁打1 ○平沼翔太(西武):wRAA1.07、41打席、OPS.724、打率.306、本塁打0 5月もソフトバンク攻撃陣の活躍が目立った。特に5月21、22日の楽天戦での合計33得点は圧巻だった。今月もパ・リーグ上位6人のうち3人がソフトバンクの打者である。その中で最もwRAAが高かったのがクリーンアップの後の打順を任されることの多い27歳の栗原である。 打率.373、出塁率.444、長打率.672、OPS1.116はすべてリーグ1位。ホームランを狙わずとも安打を放つことで、塁上を賑わすランナーを還す役目を十分に果たせるという気持ちの持ちようが好調の要因と言えよう。ソフトバンク打線に厚みを加える栗原を5月の月間MVPパ・リーグ打者部門に推薦する。 鳥越規央 プロフィール 統計学者/江戸川大学客員教授 「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。
鳥越規央 / Norio Torigoe