「高千穂峡淡水魚水族館」は2つの展示室からなる小規模水族館。アフリカツメガエルはお笑い芸人顔負けの面白さ
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく 【写真】「バイバイ」と手を振って去っていくかの様なアフリカツメガエル * * * * * * * ◆2つの展示室からなるとても小さな水族館 2023年の春うららかな日、4年ぶりに宮崎県高千穂町を訪れた。 観光客で賑わう名勝の渓谷を歩き、真名井の滝を過ぎて橋を渡ると、目的の場所にたどり着く。高千穂峡淡水魚水族館だ。 2つの展示室からなるとても小さな水族館だが、金魚からチョウザメまで、小さなスペースにかなりの数の水槽と魚の種類を詰め込んでいる。
◆「アフリカツメガエル劇場」 脇の方の部屋には両生類が飼育されていて、その中には、ウーパールーパーや、奇妙な姿の白いアフリカツメガエルがいる。 このカエルの長い指と、ギョロッとした小さな目、そして常に笑っているようなその顔は、私にはある種のお笑い芸人のように見えた。 二人がステージに躍り出て、「パッパラパー!」と思いきや、次はまるでオペラのソリストの様に立って構える。チョウザメと比べると小さなこのアフリカツメガエルだが、存在感は当館一番と言っても過言ではないだろう。 他にもヤマメやドンコなど高千穂の渓流に生存する魚を中心に、世界中からの淡水魚およそ100種類を展示している。 いつも絵になる渓谷を散策した後に「アフリカツメガエル劇場」を堪能するのも悪くない。 (撮影=野辺地ジョージ)
野辺地ジョージ