「時価総額1位争い以上」エヌビディアとMS、AIチップ規格覇権で戦争
人工知能(AI)時代のトップ企業の座をめぐり競争するマイクロソフト(MS)とエヌビディアがAIデータセンターのサーバー規格をめぐり衝突した。AI技術の主導権をめぐる争いが本格化したという評価が出ている。エヌビディアとMSは今月に入り世界時価総額1位をめぐり二転三転しながら接戦中だ。AIを舞台にした主人公の座をめぐる競争は当分続く見通しだ。 米IT専門メディアのジ・インフォメーションは18日、複数の消息筋の話としてこの数カ月間にエヌビディアとMSがデータセンターサーバーの規格をめぐり不和を生じさせたと報道した。エヌビディアが顧客を相手に次世代主力AIチップである「ブラックウェル(GB200)」をエヌビディア独自の規格に合わせてサーバーに設置すべきと主張し、これをMSが拒否して両社の最高経営責任者(CEO)にまでこの問題が報告されたという。主力事業分野が異なる両社の衝突は異例だ。 エヌビディアは自社のAIチップが最高の性能を出せるように今年からはAIチップを単品で販売せず、独自のグラフィック処理装置(GPU)と中央処理装置(CPU)数十個をつなげたAIスーパーコンピュータの形で企業に供給すると明らかにしている。個別AIチップ販売会社ではなく、AIソリューション提供会社として生まれ変わるという抱負が込められている。 これに対しMSはエヌビディアが定めた規格通りのサーバーを構築し始めれば今後一方的にエヌビディアの言いなりになりかねないという懸念を理由にこれを拒否したという。エヌビディアのサーバー規格に合わせてデータセンターを作る場合、今後MS独自開発チップの使用が難しくなるだけでなく、AMDやインテルなど他社のAIチップに変えることも難しくなる。数回の神経戦の末に最近エヌビディアはひとまずMSが希望する規格の通りにAIチップを供給することにしたという。 ◇反エヌビディア連帯成功するか 今回の事件をめぐりIT業界ではAIチップ企業とAIサービス企業、さらにはエヌビディアと反エヌビディア陣営間の退くことのできない競争が始まったことを示す事件という評価が出ている。オープンAIと生成AIサービス「コパイロット」を掲げて華麗に復活したMSの立場でエヌビディアはAI覇権を占めるために必ず超えなければならない山だ。世界のAIチップ市場の80%以上を占めるエヌビディアは事実上独占に近い市場支配力で価格交渉力を育てている。 今年末から生産されるエヌビディアの次世代AIスーパーチップ「ブラックウェル」の場合、ノートパソコンほどの大きさのAIアクセラレータが1個当たり1億ウォンに達する。エヌビディアは独自のサーバー規格を作り顧客を縛る「ロックイン効果」で現在の独占体制を持続させようとする。エヌビディアはエヌビディアのチップでAIモデルの学習・推論を助けるソフトウエア「クーダ」を通じて世界のAI開発者をエヌビディアAI生態系に縛った経歴がある。 ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は今月初めに台湾で開催された台北国際コンピュータ見本市でサーバーメーカーであるスーパーマイクロのチャールズ・リャン会長と何回も肩を組んで親密さを誇示した。スーパーマイクロはエヌビディア、AMD、インテルなどのAIチップとメモリーなどを組み立ててサーバーを作り供給する会社だ。エヌビディアがサーバーメーカーと連合して自社中心のサーバー秩序を構築し競合会社の市場参入を遮断するという意図を示したものという分析が出ている。 MS、アマゾン、グーグルなどAIサービスを提供するサーバー企業の悩みも深まっている。当面はAI競争でリードするためにエヌビディアの新型AIチップを大量に注文しなければならないが、同時に別の一方では独自AIチップとサーバー装備を開発するなど代案探しに出た。後発走者であるAMDとインテルもやはりエヌビディアに対抗し、低価格を掲げてMS、アマゾン、グーグルなどにAIチップを供給しようと試みているところだ。