「RRR」連続上映終了!?全国からガチ勢が集結した兵庫のマサラ上映に潜入レポート
■ マサラ上映「塚口ナートゥ」…とは一体?
2024年7月、開業71年を迎えた映画館「塚口サンサン劇場」(兵庫県尼崎市)。ここで2022年10月21日の公開から1年8カ月、異例の連続上映をしているインド映画がある。人気映画監督S.S.ラージャマウリが、イギリス植民地時代のインドを描いたアクション超大作『RRR』だ。 【写真】乱れ飛ぶ紙吹雪…まだ上映はじまってません! しかし同館での1年8カ月にわたるロングラン上映が、惜しまれつつ7月11日に終了する。7月6日に直前のスペシャルイベントとして昼夜2回のマサラスタイルの応援上映がおこなわれ、その模様をインド映画ファン(『RRR』マサラ上映4回目、宝塚版『RRR』を5回観た編集Z)がレポートする。 「塚口ナートゥ」としてファンに知られる同館での『RRR』マサラ上映は、拍手、歓声、指笛での応援はもちろん、鈴などの鳴り物、紙吹雪やクラッカーなどの飛び道具の使用もOK。ダンスシーンは立ち上がって一緒に踊る客席参加型。2022年11月の初回実施時は新型コロナ対策もあり「無発声マサラ」としてスタートし、現在は発声も可能になっている。 この日おこなわれた通算11回目、12回目の「塚口ナートゥ」のWEBチケットは発売開始1分で完売という超争奪戦。東京、広島など全国からも「RRRガチ勢」が同劇場に集結した。 上映を前に同劇場の戸村文彦さんが「前説」を実施。戸村さんからの「今日初めて『RRR』を観る人ー?」「初めてサンサン劇場へ来た人ー?」の問いかけに劇場からちらほら手が上がり、その度に客席も鳴り物やクラッカーで熱烈歓迎。初心者にもやさしい世界が広がっていた。 改めてマサラ上映のルール説明があったのち、「ナートゥ」ダンスのレクチャーコーナーに。全力で踊り続ける戸村さんを称える紙吹雪が大量投下され、客席のボルテージが急上昇。そのままの勢いで映画本編の上映がスタートした。
■ 上映3時間でクラッカー、ひとり200発!?
上映中はラーム・チャラン演じるラーマ・ラージュと、NTR.Jr演じるアクタルことコムラム・ビーム、「友情」と「使命」で揺れる2人の活躍にあわせ、客席から拍手、歓声があがり、手練れの紙吹雪班、クラッカー班、音響班などが自然と一体となり、唯一無二のグルーヴを生み出していく。ペッダイヤやラッチュにも歓声があがる。 そして「ナートゥをご存じか?」のセリフを合図に客席が一斉に立ち上がり、紙吹雪が舞う中での手拍子とダンス。編集Zの横には戸村さんが飛び出してきて、中央通路で汗だくで踊り狂っている。終盤大きな「ラーマ」コールが自然と起こり、最後はダンスバトルの勝者ビームと、参加者同士のダンスの健闘をたたえる大きな拍手が起こった。 スコット総督率いるイギリス軍との最後の戦いのシーンで、客席の盛り上がりは最高潮に。途中エドワードの「撃ち方ヤメ!」のセリフ直後、クラッカーを無駄打ちしまくる、という悪ふざけも挟みながら、水を操るビームの活躍に青い紙吹雪、火を操るラーマの活躍に赤い紙吹雪がこれでもかというほど投下され、後方席にいた筆者はスクリーンが半分以上見えない状況に。しかしその熱狂が具現化された紙吹雪芸は、感動を覚えるほど美しかった。 その勢いのままにエンドロールに突入。再び客席が立ち上がり、エンディング曲『Etthara Jenda(エッタラ・ジェンダ)』にあわせ踊り出す。客席はもちろん戸村さんも再び躍り出てくる。そして創造神ラージャマウリ監督&主要キャストとともに「ムルムルムルムル・・・」。こうして約3時間の上映が終了した。